9・11である。2001年のこの日、私は那須高原のホテルにいた。風呂から上がり、テレビを付けたとたん、貿易センタービルに飛行機が突っ込むシーンが映し出された。映画の一シーンのような衝撃映像は、その後の2011年の3・11東日本大震災とともに脳裏から離れない。
朝日新聞(2020年9月11日付)は、世界貿易センタービルを背に、必死で逃げる写真(AP通信配信)に写っていたスティーブン・クーパーさん(当時60歳)が、今年の3月28日、新型コロナによる慢性閉塞性肺疾患で亡くなっていたと報じている。東日本大震災で被災した人の中にも、コロナで亡くなった人はいるだろう。メディアには、そうした人の人生を丁寧に追いかけたルポルタージュを報じてもらいたいものである。
菅は「消費税は10%より上げる必要がある」といった翌日、慌てて「上げる必要はない」といい直した。これは上げる気だな
さて、菅義偉政権というのも、日本人にとっては「厄災」になりそうだ。10日、テレビ東京の番組に出演して菅は、「消費税は将来的に10%より上げる必要がある」といった。翌日、まずいと思ったのだろう、会見で、「消費税は今後10年ぐらい上げる必要はない」といい直した。だが、菅の腹は、自分の政権の間に消費税アップを考えていることは間違いあるまい。
菅の持論は「国の基本は『自助、共助、公助』。自分でできることはまずは自分でやってみる」(文藝春秋2020年10月号)である。貧困も格差も自己責任、政府が対応するのは最後でいいという考え方である。国民に負担を負わせることに躊躇はしない。何しろコロナ対策で、10万円給付、「GoTo」キャンペーンで大盤振る舞いしたのだからと、取り戻すためには消費税も増税もやってくるに違いない。スガノミクスは、安倍と同様、大企業、富裕層を優遇し、貧しい者をさらに貧しくするものになるのではないか。