ドコモ口座を利用した不正引き出しの被害が広がっている。キャッシュレスの利便性の穴を狙った巧妙悪質な手口。ドコモ・ユーザーでなくても、ドコモ口座を持っていなくても被害者になりうる。何はともあれ、銀行通帳の記帳をして確かめてくださいという。
30台女性が先週水曜日(2020年9月2日)、たまたま通帳を記帳して気がついた。1分間に4回、計30万円が「ドコモコウザ」に送金されていた。30万円は1日の送金限度額。「ドコモコウザ」なんて知らない。送金した覚えもない。
名前、生年月日、口座番号、暗証番号をどこからか入手
こうした不正引き出し8月以降、全国の11の銀行で66件、1800万円にのぼる。10日正午現在わかっている数字で、新たにに増える可能性がある。
不正の手口は、個人の名前、生年月日、口座番号、暗証番号をどこからか入手して、「その人」になりすまし、「ドコモコウザ」を開設。次に、銀行口座から「ドコモコウザ」に送金するというものだ。
狙われるのはドコモ口座と提携する銀行に口座を持っている人。提携銀行は全国に35あるが、うち11の銀行(ゆうちょ銀行、イオン銀行の他は地銀)で被害が出ている。しかし、他の24銀行に広がる可能性はある。
問題は、ドコモ口座の開設が、名前、銀行の口座番号、暗証番号とメールアドレスだけでできたこと。二段階認証にはなっておらず、NTTドコモも不備を認め、被害者に全額補償すると発表した。
司会の羽鳥慎一「被害の大部分は地銀ですが、ゆうちょが入っていますね」
吉永みち子(編集者)「最近は記帳なんてしませんからね。気づかないかも。でもどうして暗証番号が盗まれるの?」
ITジャーナリストの三上洋さんは、通販サイトの普及で、不正アクセスが多くなった。偽のサイトへ誘導するなどの他に、組織的に暗証番号を割り出すやり方があるのだという。
玉川徹(レギュラーコメンテーター)玉川「犯人は、ドコモ口座からどうやって金を手に入れるの?」
三上さん「電子決済で高額商品を買って、換金する。手間がかかるし、痕跡が色々残るから捜査の手がかりにはなるが、相当な組織でないとできない」
羽鳥「まずは、通帳の記帳をして確かめてください」