小学校で教師も務めたことがある作家・タレントの乙武洋匡の、「制服が原因で不登校になったり、自殺を考えることがあったりしてはならない」という動画投稿が話題になっている。東京・江戸川の高校生が「制服を自由に選べるようにしてほしい」と訴えて電子署名を求めていて、その主張をもっと広げたいのだという。署名はすでに1万1582件になっている。
「グッとラック!」では珍しく、社会問題を取り上げた。上路雪江リポーターがその高校生に主張を聞いた。高校生はSNSでは『くろまる』と名乗っている。「僕は女の子として生まれたかったわけではなく、男の子として生まれたかった。いまは男の子として生きています」と、自分はトランスジェンダーだと話す。一番抵抗感が強いのが学校の制服だ。「スカートを着るのは嫌だなあ、学ラン着たいなあ」と思っても、許されない。同級生からも「女子なのになんでスカートはかないの」と言われるなど、苦しんでいる。
「スカートを着るのは嫌だなあ、学ラン着たいなあ」
アン ミカ(モデル・タレント)「制服というのは、毎日、『あなたがどんな心を持っていようが、性別がそう生まれてきたんだから、女なんだ、女なんだ』と言われているということで、本当に苦痛だと思います」
教育や学校問題を多く扱っている弁護士の髙橋知典はこう説明する。「先生の中でも、こういう問題に対する認識の広がりは少ないですね。ふざけているんじゃないか、ジョークで言っているだけだろう、自分を特別視されたいのか...という具合です。十数年前に、ドラマの『金八先生』で、トランスジェンダー役の上戸彩さんがジャージ姿で登校する演出で、この問題が注目されたのですがねえ」
司会の国山ハセンは「制服を選択できる学校もあります」といくつかの学校を紹介した。「東京の世田谷区、中野区の区立中学校すべてが、去年(2019年)から女子生徒もスラックス可になっています」
千葉の柏の葉中学は、男女生徒ともパンツかスカート、ネクタイかリボンを自由に選ぶことができ、群馬の高崎経済大付属高校は10年前から女子のスラックス制服がある。制服の大手メーカー「トンボ」も、スカートやズボン、上着などを自由に組み合わせることができる制服を販売している。
正能芙優(大学院特任教授)「(制服が選択できる学校は)いろいろな生き方とか、自分らしさとか、個性を認めてくれるという意味でも、魅力的に映りますよね」
くろまるさんは集まった署名を江戸川区長に提出した。