石原さとみ主演の薬剤師ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジテレビ系)第9話が10日(2020年9月)に放送された。先輩薬剤師の瀬野章吾(田中圭)が末期がんであることがわかり、主人公の葵みどり(石原さとみ)に後を託すという感動のストーリーのはずだったが...。
薬物依存の女性患者が汚物を主人公の顔に吐き戻すわ、調剤薬局に入り込んで薬を盗むわという恐怖の展開に、ネット上では「これはホラーか?」「患者が薬剤室に入り込めるわけがない」「病院ドラマとしてリアリティーがゼロだ」という猛批判が起こっている。
「あれは薬剤師ではありません、看護師の仕事です」
物語は、薬剤部副部長・瀬野章吾(田中圭)が廊下で部下の葵みどり(石原さとみ)の目の前で激しく吐血して昏倒した。瀬野は「逆流性食道炎だった」と言って仲間たちを安心させるが、実はステージ4の末期がんだった。余命いくばくもない瀬野は、仲間たちに「俺の治療と薬のことはすべて葵みどりに任せる」と宣言する。
一方、病院にバツイチの元主婦・若月陽菜(徳永えり)が搬送されて来た。葵と瀬野は、陽菜の所持品から抗不安定薬の大量の殻を見つけ、オーバードーズ(薬の多量摂取)を疑う。陽菜には、育児ノイローゼから抗不安薬依存に陥っていた。陽菜は、病室に服薬指導に葵たちに反抗的な態度を見せ、顔に薬を吐きつけるありさま。葵は陽菜を薬物依存から立ち直らせようと、別れた一人娘と会わせようとするが...という展開だった。
ネット上ではこんな声であふれた。まず多かったのが、葵のやっていることは薬剤師の仕事ではない、越権行為だという医療関係者からの指摘だった。
「ハッキリ言えば、あれは薬剤師ではありません、看護師です。看護師自身ならば、ナースコールの必要はないし、あの内容を看護記録に記入すればスジが通ります。看護師が普通にいれば、あの薬剤師の必要はないのに、薬剤師を主人公にしたドラマを作るために、意図的に看護師抜きにして薬剤師に看護師の仕事をさせているのです。もう、これ以上は本当の薬剤師に苦しみを与えることはやめてください」
「娘が石原さとみちゃん好きなので隣で見ていますが、びっくりするくらい面白くないです。フィクションでも、ナースのお仕事くらいのコメディーなら分かるけど、こんな真面目な感じのドラマで、現場の状況がいい加減に描かれているのはひどいと思います。いつか面白くなるかも?という期待はもうなくなりました。ほぼすべての問題は、患者さんが飲んでいるお薬をきちんと申告しないという一点...。毎週事件が違うとはいえ、結局そこか...という印象」