「田んぼ」のはずが建設残土で10メートルの山に!建設業者に言われるまま...、裁判で撤去命令出たのにそのままだ!

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   愛知県弥富市で、田園地帯の一角に「ただで田んぼにしてあげる」と建設業者が運び込んだ土が、10メートルの高さまで積み上げられたまま放置されている。警察は今月初旬(2020年9月)、建設残土放置で土地の価値を失わせたとして、不動産侵奪の疑いで建設業者を書類送検したが、今も残土はそのままだ。

   

   現場は3年前まで金魚の養殖場だった。土地所有者の男性によると、父親が亡くなって金魚の養殖をやめることになり、池を壊して田んぼにしようとしていたところ、建設業者を名乗る男が突然やってきて「リニアの工事で出る土を池に入れさせてもらえたら、ただで田んぼにします」と申し出たという。「道路から30センチ下の高さまで」という約束で署名したが、承諾書は白紙で、あとから業者が都合よく記入したという。

同じような被害が複数、業者は恫喝と開き直り

   土の搬入が始まり、1か月足らずで予定の高さになったが、業者は土のほか木材やコンクリート片などの搬入をやめず、所有者の男性が抗議しても、業者は「仕事を止めたら、反対にあなたが訴えられる」「業務妨害だ」などと恫喝。撤去を直談判すると「刑務所入るのなんて怖くないわ」などと開き直ったという。「怖いので止められなかった」と所有者夫婦は話す。

   結局、搬入された土は25メートルのプール35杯分ほどにもなった。近隣住民からの苦情も相次いだため、別の業者に撤去の見積もりを依頼したところ、7000万円かかると言われた。所有者夫婦は昨年5月(2019年)、建設業者に残土の撤去などを求めて提訴し、津地裁四日市支部は今年5月(2020年)、残土の撤去と慰謝料110万円の支払いを建設業者に命じる判決を出した。しかし、今も慰謝料は支払われず、山も撤去されていない。この業者によって、同じような被害を受けた人は三重県桑名市などでも複数確認されているという。

   「モーニングショー」のディレクターが三重県桑名市の建設業者を直撃したところ、「なぜ入れたかなんて常識で考えたらわかるやないか。何言うとんのや」「そんな話はいくらでもある」と初老の男性は声を荒げ、今は作業の過程で今後撤去する予定だと釈明した。すぐに撤去しない理由については「やると言っていた矢先に裁判かけてきたので、(ほかの場所に)埋めようと思ってもできない。地主も足を引っ張っている。県なり国なりが受け皿をきんとしなあかん」と開き直った。

   残土トラブルに詳しい村田正人弁護士によると、残土の捨て場所が足りないことや、建設残土は資源という概念に基づき法的な規制がないことが、トラブルの背景にあるという。一部の自治体は残土の投棄を規制する条例をつくっている。

   司会の羽鳥慎一「こういう問題がここだけではないということになると、根本的に解決すべきポイントがあるということですね」

   菅野朋子(弁護士)「建設残土を廃棄物処理法の対象にするという対応が必要になってくると思います」

文   キャンディ| 似顔絵 池田マコト
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