台風10号は暴風と大雨を伴ってきのう6日からきょう7日(2020年9月)にかけて、九州に最接近した。台風が近づく前の鹿児島市内では、大雨や高潮などによる浸水被害を避けるために少しでも高いところに駐車しておこうという人たちが、満車の立体駐車場前に長い列を作った。「ここで朝7時から、もう9時間待っています。1台も出ないから入れない」と、男性は困り顔で話していた。同じような光景は、福岡、長崎、宮崎でも見られた。
海水の浸水は危険、エンジンは2週間たってからかけて
高潮や高波による車の浸水で怖いのが、「トラッキング現象」だ。浸水した車から発火する現象で、おととし(2018年)の台風21号では神戸市などで20件以上確認された。バッテリーの端子に水分とホコリなどが付着し、電気が流れて発火するもので、海水は雨水より電気を通しやすいため、高潮などではトラッキング現象が発生しやすくなる。海水に浸水後、2週間たってから、エンジンをかけていなかったのに発火したケースもあるという。
司会の羽鳥慎一「(車が)乾いたからいいや、と思う人も多いと思いますが、注意が必要です」
防災システム研究所の山村武彦所長「高潮で車の浸水が疑われる場合は、販売店や整備工場に相談し、バッテリーのマイナス端子を外しておくといいと思います。家も同じです。浸水でコンセントがトラッキング現象を起こしやすくなっている場合もあるので、ブレーカーを入れる前に安全確認が必要です」
石原良純(気象予報士)「浸水から2週間たって火が出るとは、怖いですね。これからも台風は来ますから、貴重な情報です」