「MIU404」最終回クライマックスの夢オチに「なんじゃこれ?」「期待はずれだ」「白けた」と落胆の声!ああ、新型コロナで話数を端折らなければ...と惜しむ

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   綾野剛&星野源W主演のTBS系刑事ドラマ「MIU404」(ミュウ・ヨンマルヨン)の最終回が4日(2020年9月)に放送されたが、これまで絶賛の声が多かったのに、「ガッカリした」「なんじゃこれ?」「期待はずれだ」という批判の声が殺到した。

   賛否両論が起こったのは、ドラマのクライマックスにある「仕掛け」だったが...。

   物語は、久住(菅田将暉)を追って、伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は対立、それぞれ単独行動に出る。視聴者を騒然とさせたのは、久住が潜伏するクルーザーでのこと。そこで伊吹は、血を流し瀕死の志摩を発見し、身を守るために銃を抜いて久住に構える。「(久住を)殺すな」と止める志摩をふりほどいて久住を撃ち殺す......という最悪の事態が発生した。

  • 「俺はお前らの物語にならない」という久住(TBS「MIU404」の番組ホームページより)
    「俺はお前らの物語にならない」という久住(TBS「MIU404」の番組ホームページより)
  • 「俺はお前らの物語にならない」という久住(TBS「MIU404」の番組ホームページより)

伊吹が久住を射殺する衝撃シーンが夢だった...ってアリ?

   しかし、これは合成麻薬を吸い込んだ伊吹と志摩の「夢オチ」だったというわけ。その後、捕らえられていた2人は海上でクルーザーから無事脱出、陸に上がって逃走する久住を追い詰めていく......という展開だった。

   この「夢オチ」には賛否両論が沸騰した。「夢オチ」はドラマの世界では「禁じ手」と言われているからだ。しかし、今回は大成功だったという声は――。

   「薬で悪夢を見させるつもりが2人の絆を強めた結果になって、久住の目論見とは逆に、逆に回っていくラストだった。夢オチだったけど、あの最悪の結果も何かの選択ひとつでああなっていたってことなのですね。私たちにも毎日ある分岐点。おもしろ過ぎるドラマでした!最高でした!」

   「志摩が血まみれで息絶え、伊吹が久住を撃ち殺す。最悪の結末になったかと本気にしたら...。最終回も見事などんでん返しだった。久住の薬でハッピー状態の人たちには、怪我をした久住の演技も通じない。皮肉の利いた展開でした」

   「志摩は、自分の感情を抑さえながら正義を貫こうとする葛藤、伊吹は志摩に止められているから抑さえている射撃、それらが幻覚の中で現れて見た映像。どちらとも、相棒を失いたくなかった点は同じ。幻覚から覚ましてくれたのは、九ちゃんからの『陣馬さん目覚めた』の連絡。夢オチというトリッキーな場面はいらないと言う声もあるが、他人との関係性がないドラッグによる幻覚の世界に逃げ込むより、苦しい現実の世界を誰かと一緒に苦しみながら生きてく方が良いってメッセージのような気がする。ところで、伊吹は志摩が一人で何かやろうとしていると気づいていた。だから、糸巻に盗聴機を仕掛けさせた。マリーナの情報を盗聴して、伊吹が先に駆けつけたけど、通話中の汽笛で志摩が駆けつけるという流れが、なんかよかった」

「最終回は急にレベルが落ちた。違和感のあるシーンの連続」

   しかし、「残念だった」「ガッカリした」という声の方が多かったのだ。

   「『クズを見捨てる』久住が逆に見捨てられて終わる。志摩と伊吹は相棒のまんま。九ちゃんが地位を活かして活躍する。陣馬さんが一命を取り留める。ハムちゃんが外食できる。久住を逮捕......。羅列すると期待通りの展開だが...やはり夢落ちが残念。そこだけ脚本家が違ったのか?と思ったほど。私が集中できたのは夢から覚めて...の部分からだ。心のすれ違った伊吹と志摩が同じ夢を見て仲直りするために入れられたシーンなのか。それがスイッチとして?久住と伊吹がクルーザーまで歩いて話すシーンはどちらかが海に落とそうと思えば落とせるのにそうしないところも不自然だった。『神様が指一本』...という久住の過剰なお喋りも理解できなかった」

   「菅田将暉に配慮し過ぎたという事情もあるのでしょうが、最終回は急にレベルが落ちましたね。結局のところ、刑事が単独行動をすれば久住を簡単に捕まえられたということでしょう。久住も警察が来たわりにはすごく落ち着いているし、なんだかなー。久住がMIUの2人をすぐに殺さないのも意味不明」

   「夢オチはダメとは思いませんが、拍子抜けしたのは否めなかったです。もともとは14話で構想が練られていたので、あと3話あればもっと丁寧に描けたエピソードがあったのだろうと思うと、野木さんが描きたかった作品を完全な形で見られなかったのが非常に残念です。最大の敵は久住じゃなくて脚本を変更させたコロナウィルスでしたね」

「夢オチがないシリアスな物語だけを紡げばよかったのに」

   面白いドラマだっただけに、こうすればよかったという指摘が多かった。

   「夢オチがない方の筋書きだけにしたらいいと思った人が多いと思う。物理的に久住を追うサスペンス。伊吹が久住を恨んでいても殺さないというプロットの捻りでも十分に面白い。それよりもネット犯罪やエトリ謀殺、夜逃げドラッグ工場の協力者逮捕、バックドア利用の実態まで本当は解明すべきことはもっといっぱいあった」

   「同感だ。2人が夢から覚めるまでは、どシリアスなのに、夢から覚めて船から飛び降りた後は軽いノリだから、そのギャップについていけなかった。むしろ盗聴のシーンがよかったかな。途中で聞くのをやめて感情的に突っ走ったところだ。これまでの信頼関係なら、最後まで聞いて志摩の本音を確認した上で走った。久住から『感情に任せて一人で来た』と言われても、志摩を心底信用していることで反撃の機会を得て、あの絶体絶命から回避‥だったらよかった。先週までのストーリーが最高だったのに、最終回だけ違和感があった。コロナの影響で端折ったか?それとも期待が大きすぎた?」

   最後にこんな称賛の声を紹介したい。

   「話数も端折られ、オリンピックも開催されず、クランクイン時には想像もしていなかったコロナ禍でもあり、半年以上の長きに渡って作り上げたドラマ。最後に2人のマスク姿を見て、今の世の中を改めて客観視できた。私は本当に楽しく見せてもらいました。届けてくれた出演者スタッフの皆様、ありがとうございました。お疲れ様でした」(テレビウォッチ編集部)

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