辞任発表の日、安倍にストレスを与え続けた昭恵は「何の用事かしら?」といぶかりながら官邸に向かったという。妻に何も言っていなかったとすれば、「仮面夫婦」といわれる安倍夫妻を象徴する"事件"だ

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売れる作家がふんぞり返り、中身のない本が幅を利かすパワハラ構図は出版社も同じだが...

   この構図は、出版社も同様である。私が編集長時代、某作家が連載を始めた。すると、その作家に関わる社内の人間たちが集められ、上の人間が、件の作家のフェアをするといい出した。売りはその作家の新刊で、初版何十万部からスタートするといった。だが販売の人間は、その作家の読者は減っていて、それほど売れませんよ、在庫が残って困りますといった。

   すると上が、「相手にはそれだけ部数を刷ったことにして印税を払えばいい。実際には5万程度刷ればいいじゃないか」と言い放ったのだ。かくして、売れるタレントや作家はふんぞり返り、売れないタレントや作家は1、2ヵ月しか暮らせないカネしかもらえない。そうやって、ベストセラーを出す、視聴率を稼ぐだけで、中身のない本や、ドラマや、ワイドショーの司会者だけが幅を利かし、世の中がバカになっていくのである。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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