菅が傾倒する英国人アナリストの「日本の中小企業はどんどん斬り捨てるべきだ」という淘汰論が危険すぎないか
菅と二階は、観光業界に顔が利くことで知られている。文春によれば、2人の背後には英国人アナリストのデービッド・アトキンソンという人間がいるそうだ。
「ゴールドマンサックス(GS)出身で、現在は国宝や重要文化財の補修を手掛ける『小西美術工藝社』の会長兼社長を務めている」(官邸関係者)
彼が15年に上梓した『新・観光立国論』で、「日本経済の成長のためには外国人観光客にカネを落としてもらうことが必要だ」という主張をすんなり信じて、その後の「GoTo」キャンペーンにもなっているようだ。
またこの御仁、「最低賃金の毎年5%ずつの引き上げ」という持論をもっているそうである。私も、そうできればいいとは思うが、中小企業は受け入れがたいだろう。
アトキンスは、「それを支払う能力のない中小企業が淘汰されれば新陳代謝が進むし、永遠に成長しない中小企業は、国の宝どころか、負担でしかない」、斬り捨てろと主張しているというのだ。
だが、アトキンスに傾倒している菅は、中小企業庁を抱える経産省出身の今井尚哉が、「5%は無理」だといっても聞き入れなかったそうだ。こんな持論を持った人間がトップになったら、ただでさえコロナ禍で疲弊している中小企業は、生き残ることもできないだろう。