バブル崩壊、3・11、コロナ禍...94年間どんな時代にも楽しい思い出もらった
昔のポスターや面白広告を展示するスペースに人だかりがあった。「私はこのエルドラドで結婚式をした」という事業運営部長の内田弘さんは、来園者に「社員の腰を紐で縛り、一番気持ちいい流れは毎秒1メートルの流れだとつきとめたんです」と流れるプールの説明をした。事業企画部の小峯亮一さんは縁日を実施し、としまえんが94年間貫いた世の中を明るくする精神を発揮。夏の風物詩「花火」も最後の2カ月はお盆や週末に実施した。
コロナ禍で修学旅行など、学校行事がほとんど中止になった地元の小学6年生たちが卒業アルバムに載せる写真がないと、思い出を作りに来ていた。
大正15年の開業以来94年、戦争、高度成長、バブル崩壊、東日本大震災、新型コロナ......どんな時代でも楽しい思い出を残してくれたとしまえんだった。
中継は、閉園したとしまえんの名物「エルドラド」から。武田真一キャスターと爆笑問題の太田光がとしまえんについて話した。太田は「東京ディズニーランドができて、遊園地は寂びれてきたが、としまえんのエンターテインメント性は僕らの世代には圧倒的だった。中学の時1日フリーパスを買って、元を取るために乗りまくったことがある。バイキングには13回乗った。としまえんには回転ものが多かったので、家に着いたらゲーゲー吐いたくらいだった」と思い出を話す。
熊本出身の武田キャスターはとしまえんの思いではないというが、「熊本にはサンピアンがあり、私はそこに行きました。どの地方にも心のふるさとがあるんですね」とコメント。
太田は「思い出の場所って記憶の中でどんどん美化してしまう。としまえんも頭の中で美化されて、どんどんいい場所になっていくと思う」と話した。
*NHKクローズアップ現代+(2020年9月1日放送「密着! としまえん 最後の夏」)バルパス