安倍総理の退陣表明を受けて行われる自民党総裁選だが、きのう8月31日(2020年)、菅義偉官房長官(71)が立候補の意向を固めた。総裁選には他に岸田文雄政調会長(63)、石破茂元幹事長(63)が出馬する見込みだが、31日夜、自民党の最大派閥で98人の議員を抱える細田派が「菅支持」を表明したことで、総裁選の行方は一気に菅氏に傾いた。菅氏は他に二階派(47人)、麻生派(54人)、石原派(11人)などからの支持を受けている。
だが、国民の人気が高いのは石破氏。NNN・読売新聞の世論調査ではポスト安倍候補として石破氏をあげたのが24%、他方、菅官房長官を支持する声はわずか4%だ。
通常、自民党総裁選は国会議員394票と全国の党員票394票で争われる。この場合は石破氏にも勝機はあるが、今回は両院議員総会で選ぶ方式になるとみられていて、地方票は都道府県代表141票にとどまる。
石破氏が「強い支持というのは多くの党員の支持が必要」と党員投票の必要性を訴えるほか、若手議員145人が党員投票を行うよう署名を提出しているが、マスコミ報道はすでに「菅総裁」で決まったかのような論調だ。
勝ち馬に乗れば大臣ポストが来る...
司会の加藤浩次「菅さんが総理になるというようなVTRになっていました。派閥の論理だけで決めたら国民は納得しない」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「党員投票やるべきだという声が日増しに強くなっています。小泉さん以降、派閥の論理ではなく世論調査で一番の人が総理になってきましたが、今回は政策的な行き詰まりがあったわけではない。安倍政治を継承する一番の人が菅さんで、勝てそうな人に乗ると大臣ポストが来るので、雪崩を打ったように勝ち馬に乗っていますね」
ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「政策構想を明らかにして、地方党員に一票を投じさせるのが重要。結果的に菅さんが勝ってもいいが、手続きを踏むことが重要ではないでしょうか」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「どうして党内で石破さんがいいという声があがらないのか」
橋本五郎「人の批判ばかりしていて好かれない、挨拶にいくなど議員との付き合いが足りないのではないでしょうか」
1日午後に開かれた自民党総務会では、総裁選は両院議員総会で行い、党員投票は行わないことを決めた。