<名建築で昼食を>(テレビ大阪、BSテレ東、BSテレ東4K)
建築模型士とカフェ 開業を夢見る女性が、SNSきっかけにランチを兼ねて名建築巡り。"飯系"にこの手もあったかと脱帽!

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   文筆家・甲斐みのりの『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ刊)が原案のドラマ。植草千明(田口トモロヲ)は、有名建築家を父に持つ建築模型士。どこか懐かしくてかわいらしい「乙女建築」を巡るのが趣味で、SNSに画像をアップしている。ある日、広告代理店で働きながら友人とカフェの開業を夢見る春野藤(池田エライザ)とSNS上でメッセージのやり取りをしたことをきっかけに、二人はランチを兼ねた名建築巡りを始める。

   この日の第2話は、自由学園明日館(東京都・池袋)が舞台。藤が元カレから預かったぬか床を悶々とした気持ちで混ぜていると、千明から「女子校でランチしませんか?」との誘いがある。

  • 「名建築で昼食を」(テレ東BS、番組ホームページより)
    「名建築で昼食を」(テレ東BS、番組ホームページより)
  • 「名建築で昼食を」(テレ東BS、番組ホームページより)

要所でさりげなく名建築を解説、楽しむポイントが分かってくる

   明日館は1921年(大正10年)に建てられた女学校の校舎で、設計は帝国ホテルをはじめ数々の名建築を残したアメリカの巨匠フランク・ロイド・フロイドと、その愛弟子の遠藤新による。地面と水平のバランスが美しい平屋の校舎、石造りの玄関、幾何学模様の窓枠、建物に合わせてフロイドが作ったというこだわりの木の家具など、カメラはじっくりと建築美にフォーカスを当て、見ている方は実際に現地へ行って堪能したような気分になれる。しかも要所で千明がさりげなく解説を入れてくれるので、建築好きのみならずとも、「楽しむポイント」が次第にわかってくるのも嬉しい。

   一見、謎めいた趣味人の千明と、恋に仕事に悩み多き藤。恋物語に発展するのかと思いきや、2人の会話も9割が建築のうんちくや感想(しかも半分アドリブっぽい)で、池田エライザを起用しているにもかかわらず、ほとんど色気がない。

   とはいえ、千明と藤の間にまったくドラマ性がないかといえばそうでもなく、ランチの後には千明が藤にさりげなく明日館で人気のオリジナルクッキーを手渡すなど、二人の関係性もこれから何らかの進展がありそうな雰囲気を匂わせる。

   いずれにせよ、これまでありとあらゆる〝飯系〟ドラマを作ってきたテレ東系列、もう出尽くしたと思いきや〝建築と食〟というテもあったか!と脱帽です。(テレビ大阪:8月22日深夜0時56分、BSテレ東・BSテレ東4K:深夜0時放送)

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