コロナの夏、国会議員たちは地元の声にどう応えたか?安倍首相側近も地方の支持者から「上から目線過ぎる!」「アベノマスクが何の役に立つ?」と袋叩きに

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   例年、国会議員たちが地元に戻る8月、新型コロナ感染対策で帰省自粛の動きの中で東京にとどまった議員も、地元に帰った議員も、与野党ともに支持者の厳しい声に直面した。政治がどう応えるのか。

   自民党の武井俊輔・衆院議員は地元に戻らず、東京からリモートで支持者の声を聞きとった。支持者からは「いつまで待ったら大丈夫なのか」と、コロナ対策への不満が噴出した。「直接会えないのは不安。手のぬくもり、握り返し方でわかることもある。同じように気持ちを通わせられるか、手探りでやっています」と考えてしまう毎日だ。

  • 国会議事堂(写真はイメージ)
    国会議事堂(写真はイメージ)
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「安倍総理には街場の肌感が伝わっていなかった」

   安倍晋三首相側近の一人、髙鳥修一・総裁特別補佐は、地元の新潟県に定期的に戻っている。そこで明治から続く老舗旅館を訪れると、「毎月100万円の赤字で創業以来の経営危機。政府の支援策はすべて利用したが、赤字は解消しない」と言われた。GoToトラベルキャンペーンが始まっても客足は戻らず「高級旅館はよくても、小規模業者泣かせです」と訴えられた。

   べつの支持者からは「政府の対策はずれている」と指摘された。支援策といっても事務の煩雑さやスピード感の問題、さらに「布マスクのおカネは違うところに回してよ」と注文をつけられた。「今日こけたら、地べたをなめるしかない。上から目線でなく、下から見上げるようにやってほしい」と求める支持者もいた。

   髙鳥氏は「総理に街場の肌感が伝わっていなかった」「これまでのようなトップダウンだけでは国民に応えられないと思った」そうだ。

   ポスト安倍をめぐって自民党内もざわついてきた。内閣支持率は、8月のNHK世論調査で「支持34%、不支持47%」と過去最低の結果が出た。NHK政治部の徳橋達也記者は「政局の空気も漂い始めました。安倍一強に変化を感じる議員も少なくありません」という。

   徳橋記者によると、「コロナ対策そのものが難しい」と嘆き気味の自民党幹部もいる。コロナによる自粛で地元に帰りづらい議員と世間とのキャッチボールがうまくいかない面もある。公明党幹部からは「政府与党の風通しがよくない」と、官邸主導の政治に疑問符をつけられた。

文   あっちゃん
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