「いま巷で話題になっているこちらの広告。体毛を剃るのか剃らないのかと、問いかけています」とキャスターの若林有子アナが紹介した。東京・渋谷の大きな街頭看板で、女性が両腕を上げてフサフサのワキ毛を強調している。コピーに「ムダかどうかは自分が決める」「ファッションも生き方も好きに選べる私たちは、毛の剃り方だって自由でいい」とある。
刃物メーカー「貝印」の「#剃る自由を」という広告だ。広報宣伝部の畑谷友香さんは「剃ることも剃らないことも、さまざまな価値観があるっていうことを知ってもらおうということと、それを自由に選べるように願いを込めたメッセージです」と説明した。
海外では伸ばしたワキ毛を青や赤に染めるのが流行とか
13年前にワキ毛を剃るのをやめたというユーチューバーのCOTORICHさん(35)は、「なぜ剃るのだろうと疑問があったのです。でも、ついに時代がやって来たと思いました。もう堂々とできる」と喜んでいる。
街の声はどうだろう。女性は「ありのままの自分って、なんかかっこいい」(20代看護師)、「多様性っていうか、時代に合わせた広告ですよね」(20代会社員)と評価しているが、男性は「オープンな感じがいいですね」(20代学生)というのは少数で、ほとんどは「良くない」「清潔感がない」と拒否反応だ。
モデルでタレントのアン ミカは「人間がもともと備わっているものをそのままにするというのは認めますが、わざわざ見せるのはどうですかね。見えないところに生えているものまで......」と抵抗感があるようだ。
正能芙優(大学特任教授)「身だしなみは自分のためでもあるけれども、周りの人のためでもありますよね。(剃る、剃らないを)自分で決めていいんだけど、(この広告は)周りの人が見た時にどう思うかという観点が抜けている感じがします」
いや、周りの目に振り回されない自分を生きようということこそが、この広告のメッセージなのだ。アン ミカは「ちょっとファッション感覚なのかな」と指摘したが、海外の俳優やモデルの間では、伸ばしたワキ毛をさらに青や赤に染めるのがはやっているのだ。ヘアとコーデしたりしたらいいのじゃないかなあ。