6月7日の第21話を最後に放送が中断されていた大河ドラマが、いよいよ帰ってくる。
尾張の大名・織田信長(染谷将太)が駿河の戦国大名・今川義元を討ち果たした桶狭間の戦いから4年。永禄7年の京では、畿内・阿波国の戦国大名・三好長慶(山路和弘)が権力を欲しいままにし、室町幕府13代将軍・足利義輝(向井理)は完全な傀儡に成り下がっていた。
メキメキ医術の実力つける麦、のちの15代将軍・義昭と出会う
将軍として麒麟がやってくるような仁政を行うという気概を失い、抜け殻のようになった義輝の話し相手として、義輝の側近・細川藤孝(眞島秀和)らが白羽の矢を立てのが、明智光秀(長谷川博己)だった。美濃を追われ、越前に雌伏していた光秀は京に赴き、将軍の権威を取り戻すため、いま勢いに乗る信長を上洛させてみせると約束した。それが功を奏し、義輝も「織田信長を連れてきてくれ」と復権への意欲を見せる。
一方、医師・望月東庵(堺正章)と、最近メキメキと実力をつけてきた助手・駒(門脇麦)は新しい薬の製造をめぐって言い争いになった。東庵の診療所を飛び出した駒は、旅芸人一座の女座長・伊呂波太夫(尾野真千子)とともに訪れた大和で、貧しいものたちに施しをしている僧に出会った。駒がその行いに感心して話しかけると、その僧は「私はただ、おのれができることをしているだけ」と答えた。
この僧こそが、将軍義輝の実弟で、後に室町幕府最後の第15代将軍・義昭となる覚慶(滝藤賢一)だ。
翌年の永禄8年、義輝が三好や松永久秀(吉田鋼太郎)らの軍勢に殺害される永禄の変が起き、興福寺にいた覚慶は一時、軟禁状態に置かれる。その後、細川藤孝やその兄・三淵藤英(谷原章介)らの手引きで寺を脱出し、将軍になるチャンスをうかがう放浪の旅に出る。やがて光秀や藤孝らの取りなしで信長に出会い、信長を後ろ盾として将軍の座に就くことになるのだ。
新型コロナ禍で3カ月近く放送が中断されていたが、再開されるやドラマの後半のキーマンとなる人物がいきなり登場し、物語は一挙に佳境に突入する。(よる8時放送)
寒山