「GoToトラベル」が始まって1カ月、その結果が26日(2020年8月)発表された。利用者は延べ420万人になり、地域や業態によっては好調と言えるほどになっていた。これを踏まえて政府は、9月早々にも東京を追加するかどうか決めるという。だが、このキャンペーンの効果は明暗二極化している。
西村康稔経済再生担当相は26日、「東京の感染者は7月末をピークに減少傾向にあるという分析がある」として、来月の分科会で感染状況を分析して、「東京を追加するかどうかを判断する」と述べた。菅義偉官房長官も「東京は人口も多く、追加されればホテル・旅館にプラスの効果が大きい」と発言、前向きに見える。
キャンペーンの効果は期待の5分の1程度だった
キャンペーンを利用した約420万人に使われた予算(割引額)は、多く見積もっても588億円。予算の総額は1兆3500億円だからまだまだ少ない。旅行アナリストの鳥海高太朗さんは「この計算は最大割引での計算で、実際は300―400億円程度。期待の5分の1」という。
都民は、「旅行に行きたい」という声の一方で、「まだ早い」と感染拡大を懸念する向きは少なくない。医療関係者は「東京都民が動けば、感染は増える」と断言する。
高木美保(女優)「420万人しか使っていないから、感染が抑えられているとも言える。一度に動かすよりエリアを分けたらどうか」
玉川徹(レギュラーコメンテーター)、「GoToキャンペーンと感染との関係を知りたい。政府が笛を吹いたが、国民は賢明にも踊らなかった。では東京を加えたらどれくらい感染が増えるのか」
毎日新聞の調査では、この夏旅行・帰省をしなかったという人が58%、予定もしなかったが25%。GoToトラベルは続けるべきか?との問いに、中止すべしが60%、続けるべしが23%だった。旅行も遠出は少なく、自家用車での近場の旅行が圧倒的だ。
また、キャンペーンの利用形態でも1泊4万円(割引1万4000円)という高額利用が8割で、1泊8000円(割引2800円)というお得な旅行は利用が少ないという現象が起きている。
司会の羽鳥慎一「旅行業でも大手や設備が整っているところが有利です」