"第2波"に医療最前線の負担は増すばかり。熱中症と区別つかず病床はひっ迫。治療薬の世界争奪戦も激化している...

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「我々では市中感染はコントロールできないんです」と切実な訴え

   報道では「第2波のピークは越えた」ともいわれる。が、藤谷医師は、依然として危機感を持っている。新たな懸念があるという。

   今月初め、50代の男性が救急搬送されてきた。エクモ(人工心肺)を検討するほど重篤だったのだが、2週間後、男性は自力で立って歩いていた。医師までが「立ってるよ」と驚く回復ぶりだった。決め手は、ウイルス抑制剤「レムデシベル」の投与だった。

   「レムデシベル」はアメリカの製薬会社の製品。世界中で使われているため、政府は一括して在庫を管理して、医療機関の申請で配給している。早期投与が有効だというので、先月からは、中等症患者にも出すようになった。そうなると、今度は在庫が心配になる。NHKのアンケートでも、医療機関はみな「在庫」を心配していた。が、国は数量を明かさない。

   第1波以来の経験で、標準的な治療ができつつあるというのは、ホッとするニュースだった。しかし、アンケートで見る秋冬にかけての医療機関の懸念は深刻だ。スタッフの確保、コロナによる他の高度医療への影響、そしてインフルエンザとの混乱だった。

   藤谷医師は、「院内と市中感染を起こさないことだ」という。「我々は病気を治すことはできますが、市中感染はコントロールできない。人にうつさないで、といいたい」

   手洗い、消毒はしても、暑いからと、マスクをネグる人も目立つ。不要不急も3蜜もしばしば見かける。「緩んでるぞ」。医療の最前線の苛立ちが、よくわかる。

※NHKクローズアップ現代+(8月25日(火)放送「密着・医療最前線 "第2波"の苦闘」)

文   ヤンヤン
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