安倍晋三首相は、在任2799日で歴代最長となったきのう24日(2020年8月)、前週に引き続き、慶応大学病院で再び検査を受けた。病院から戻った後、官邸で「追加的な検査を行いました。体調管理に万全を期して、これからまた仕事に頑張りたい」と話したが、健康不安説が永田町を駆け巡る中、安倍首相に近いと言われる政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が現状と今後のシナリオを解説した。
田﨑「正直言って、僕は(心配を)持っています。先々週の時点が非常に悪くて、声もかすれて生気がないという感じでした」
安倍首相は潰瘍性大腸炎の持病がある。潰瘍性大腸炎の症状は、血便、下痢、腹痛などで、原因はわからず、根治療法はない。安倍首相は中学卒業時から悩まされており、2007年に第1次安倍内閣で退陣した際もこの病気が理由だった。
周囲が臨時代理を置いてと進言しても、頑としてきかない首相
田﨑氏によると、安倍首相は秘書官と昼食をとるのが習慣だったが、先月下旬(2020年7月)以降は、午後からの出勤にして昼食の機会を持たないようにする日が続いた。「7月下旬あたりから、ものが食べられず、みんなと食べることを控えざるを得ない状況が生まれてきたのかなと思います。8月に入ってからは番記者も(首相が)痩せてきた、と感じていたようです」という。
政府高官や自民党内では「持病の薬が効いてないから病院で薬のバランスを調整した」「持病なんだからすぐには治らないし、そんなに騒ぐ話ではない」など様々な声が出ているが、田﨑氏は今月17日に病院へ行ったことについて、「世の中が大騒ぎになる、と周囲には相当迷いがありましたが、行かざるを得ないという状態でした」と明かし、現状について「今、どの薬が効くのかを医師と相談しながら、この重責に耐えられるかを自問自答していると思います」と話した。
今後のシナリオについて、田﨑氏は(1)薬の効果を期待しながら続投(2)今後の感染症対策を示したうえで退陣(3)総理臨時代理を置いて入院、の3パターンを示したうえで、「臨時代理を置くことについては、周辺が総理に進言していますが、職に対する責任感から、総理が頑としてきかないそうです」とし、続投か退陣かについては「僕は五分五分とみています」と話した。安倍首相は今月28日に感染症対策について記者会見を行う予定となっており、進退について言及するか注目だ。
青木理(ジャーナリスト)「今はコロナもあり、平時ではありません。本当に体調が悪いのであれば、職を引くというのも一つの判断だと思います」