東京都世田谷区はきのう24日(2020年8月)、保育士、介護施設の職員らすべての職員約2万3000人を対象にPCR検査を無料で行うことを発表した。世田谷区の人口は都内1位の92万人、陽性者は現在1570人で都内2位。保坂展人区長は「世田谷では保育施設、幼稚園、介護施設内で感染者が出ており、非常に危機感を持っている。深刻になる前に防ぐことがポイントだ」といっている。
その方法は、検査キットは自分の鼻の中に綿棒を入れて自己採取し、4人分を混ぜて検査するというプール方式を導入する。陰性になれば全員が陰性、陽性の場合は個別に再検査して陽性者を特定する。メリットとしては検査のスピードアップとコスト削減だ。
司会の国山ハセンが説明する。まず、プール方式に問題はないのか。これについて、保阪区長は「自己採取やプール方式はアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)でも基準として出しているので信頼性があるのではないか」と話す。
費用はどうするのか。予算は4億1400万円。保坂区長は「区の財源、ふるさと納税、企業からの支援金などで賄う予定。しかし、都や国の財政的支援が必要」と話す。
専門家「自己採取には差が出るが、数はこなせる」
保育士、介護施設の職員たちは「検査を受けて安心の太鼓判を押してもらえることが嬉しい」(介護職員)。他に「陽性者が出た場合、保育園の運営はどうなるのか不安」(保育士)といった声もあった。これについて、区の担当者は今のところ「調整中」ということだった。
キャスターの立川志らく「普通に言えば、悪いことはないが、陽性が出た場合、区が保育園をどれだけサポートするか問題ですね」
国山「自己採取やプール方式についてどうですか」
東邦大学の小林寅喆(いんてつ)教授は「自己採取も人によって差が出るし、検体を混ぜると言いますが、1つの検体に1つの検査が標準的になっています。しかし、ある程度の数をこなすには、このように運用していくしかないのかも知れませんね」
鴻上尚志(作家・演出家)「僕はベストのことはないと思っています。よりベター、ワーストでなければやっていくしかないのではないか」
志らく「やはり、世田谷方式、推奨していいのでしょうか」
小林「ただ、1日に1000人単位だと1カ月に1回ぐらいしか回ってこない。果たして陰性を確認できるのか」と指摘している。
ともあれ、一歩進んだのか...。