日本テレビ系のチャリティー番組「24時間テレビ43」が22日(2020年8月)に放送され、3月に新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった志村けんさん(享年70)をしのぶドラマ「誰も知らない志村けん 残してくれた最後のメッセージ」が登場した。
演じた相川裕滋は「陸王」「ショムニ」など多くのドラマ出演の名脇役
生前の映像とともに、再現ドラマでは、顔こそ正面から映らないカメラワークながら、後ろ姿や横顔をそっくりな俳優が演じて、ディレクター役のジャニーズWESTの重岡大毅とともに食事したり、ボソボソした口調でホンネを語り合ったりした。ネット上では、「雰囲気がものすごくよく出ている。いったい、この人誰だ!?」という称賛の声が起こった。
志村さん本人役を担った俳優は相川裕滋(あいかわ・ゆうじ)(51)だ。所属事務所のジェイ・クリップ公式ホームページによると、神奈川県出身で、映画「Shall We ダンス?」「それでもボクはやってない」「クライマーズ・ハイ」「HANA-BI」のほか、脇役が中心ながらテレビドラマへの出演もかなり豊富だ。
「精霊の守り人 悲しき破壊神」「タイムスクープハンター」「陸王」「おひとりさま」「さしすせそ!?」「これで家族」「なにさまっ!」「嫁はミツボシ」「世にも奇妙な物語『自分を信じた男』」「ショムニ」「救命病棟24時」「えなりかずきの一休さん」「やまとなでしこ」「2000年ドラマスペシャル 百年の物語」......などなど。舞台、声優やナレーター、CMもこなすと万能役者だ。頭髪を含めた風貌が志村さんに似ており、ネットでもこんな絶賛の声であふれた。
プライベートの志村さんもあのようにボソボソ話した?
「帰っても犬しかいないもん、とソファでゴロリンして甘えるシーンは、志村さん本人のように見えたよ」
「志村けんさん役の俳優さん、誰だろう?と気になっていました。姿勢や雰囲気がすごく似ていました。ただ似ている人を使ったのではなく、この役者さんがけんさんをすごく研究されたんじゃないかと思いました。本物の役者さんってこんなことできるんだ...と私は感心しました」
「猫背加減とかすごく似ていたし、横顔、口元、目元、すべてに志村さんの面影があった。賛否のある題材なのかもしれないけど、私は賛のほうです。今やるからこそ、いいと思う」
「私も 志村さんのそっくりさんかと思った。姿勢や仕草、雰囲気は凄く似ていたから、すんなり話に入り込みやすかった。ディレクター役の重岡さん。初めて演技を見たけど 黒子って感じで、一歩ひいた演技が良かったです」
「プライベートの志村さんを知っているわけではないですが、テレビ越しでも、コントじゃない時の話し方はどちらかというとボソボソと話す印象がありました。私はプライベートの志村さんを忠実に真似されている印象を受けました」
「24時間テレビ」は嫌いだが、このドラマには感謝する
このドラマで、「24時間テレビ」に対する考えをすこし変えたという人が多かった。
「俺は...24時間テレビは嫌いなほうだが、家族がこのドラマだけ観たいと言うので、ちょっと別の作業をしながらリビングで観ていたけど、『志村けんの人柄の描写を中心とした、日テレスタッフが志村動物園の番組を実現するまで(してからも)の裏話』という感じのストーリーだったので、批判されてしまうような内容ではなかったと思う」
「うちの娘が見たいという事で、ドラマを視聴しました。叩かれる内容ではなかった。もっとお涙頂戴でグイグイくるか、と思っていたのですが、どちらかというと、思ったより淡々と物語が進んだ印象でした。特にドラマチックなわけでもなく、ただただ志村さんと周囲の方々のふれあいの日々を織り込んだドラマ。娘は大泣きで見ていました。視聴者を感動に巻き込みたいのではなく、制作側・出演者側の、届けられずにいた『志村さんありがとう』を形にするためのドラマでした。これはこれで、個人的にはありかな、と思っております」
「私はこのドラマについて、否の立場でしたが、観て印象が変わりました。ジャニーズの方も含め、一生懸命に演じていた志村さん役の方も、役作りはかなり研究された上で演じていらっしゃったと感じました。以前のこのドラマについて否定的なコメントを投稿しましたが、謝罪して訂正させて頂きます。録画していなかったことを悔やむ内容でした。携わった全ての皆さんに、敬意を評します。素敵なドラマをありがとうございました」(テレビウォッチ編集部)