全都道府県で毎日発表される新型コロナウイルスの感染者数や重症者数といったデータのうち、重症者の数え方が東京都だけ他の自治体と異なっていることがわかった。
厚生労働省は今年4月26日(2020年)、(1)人工呼吸器を装着(2)エクモ(体外式膜型人工肺)を装着(3)集中治療室(ICU)で治療中、の3つのうちいずれかに該当する場合は重症者とする、という基準を全国に通知している。
ところが、東京都はこのうち(1)と(2)のどちらかに該当する場合のみを重症者としており、ICUに入っていても人工呼吸器やエクモを装着していなければカウントしない、という独自の基準を4月24日から採用し続けているのだ。
理由について都の担当者は「軽症でも持病などで急変リスクがある人をICUに入れる場合もある。医療現場から『ICU=コロナ重症患者』ではない、との声もあり、実態に即したカウントをしている。厚労省に基準を合わせても、重症者数が極端に増えるとは思っていない」と説明している。
第1波の時はICU患者もカウントしていたのに...
一方、厚労省の担当者は「重症者かどうか医師の判断にゆだねると基準があいまいになるため、一律の基準を設けている。東京都にも一律の基準で重症者をカウントしてもらうよう、今後話し合いを進める」と話していた。
司会の羽鳥慎一「東京都以外の46道府県は、厚労省の基準に従っていると思われます」
岡田春恵・白鴎大教授「国の基準に合わせないと、大阪など他と比べてどうなのかがわからない。春の第1波のときは東京都もICU患者をカウントしていたので、第1波と現状の比較もできません」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「ICUは他の病気の患者のためにも大事な資源です。軽症だけど心配だからICUに入れる、という使い方はおかしいですよ」
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「少なく見積もるよりは、最悪のことを想定した方が対策はとりやすいので、ICUも重症にカウントした方がいいと思いますね」
こんなところでも、国と東京都が火花を散らしているとういうことか。