昨年8月(2019年)の常磐道あおり運転暴行事件で、助手席から降りてきて携帯で被害者の様子を撮影していたいわゆる"ガラケー女"がいたが、その女に間違われた女性が起こした裁判の判決が、きのう17日(2020年8月)、東京地裁であった。罪もない女性の顔写真をネット上に投稿した元豊田市議の男性に対し、女性が「名誉を傷つけられた」と110万円の損害賠償を求めていた。田中寛明裁判長は「原告の社会的評価を低下させるものと認められる」として元市議に33万円の賠償を命じた。
ガラケー女に仕立て上げられたことで、女性には1日約280件の迷惑電話があり、誹謗中傷のメッセージは1日だけで1000件も届いた。SNSへの書き込みは1週間で約10万件にのぼった。これらについて、女性の代理人の小沢一仁弁護士は「現在、約200件の書き込みの開示請求中で、特定されれば損害賠償を請求する予定」としている。
SNS書き込み者は「普通の人」、名乗り出て謝罪した人も
女性によると、自ら名乗り出て謝罪した人には和解に応じており、評判のいい母親や、SNSで子どもを自慢しているような父親、未成年者など、幅広い年齢層の「普通の人」だという。
SNS上の誹謗中傷を受けたプロレスラーの木村花さんが自殺した事案を受け、総務省はネット中傷対策の最終報告を今年11月(2020年)にもまとめる予定で、名誉棄損があった場合にネット上の開示請求をしやすくする方向で議論が進んでいる。
司会の羽鳥慎一「今はまだ、(開示請求の)手続きが大変だからいいや、と誹謗中傷を我慢するしかないのが現状です」
野上慎平アナウンサー「何の気なくリツイートしたものが、誹謗中傷につながります。誰もが加害者になり得ます」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「被害を受けた人はちゃんと証拠を残しておくことが大事ですね」