「海開きをしなかった神奈川県の海水浴場で、ある画期的な取り組みが始まっています」と司会の国山ハセンが紹介した。
神奈川県は新型コロナウイルスの感染防止のために25カ所の海水浴場の開設を断念した。しかし、海への立ち入り禁止はできず、遊泳禁止の法的拘束力もないため、休日には多くの海水浴客がやってきてしまう。だが例年に比べ監視の目が行き届いておらず、ライフセーバーも少なく、救護施設も整っていないという。
そこで始めたのが「ドローンパトロール」だ。藤沢市の湘南海岸の上空を飛び回っている。最高時速は90キロ。上空から広い範囲を監視できる。「ここはマリンスポーツエリアです。入水は大変危険です」とドローンに搭載されたスピーカーで呼び掛けたり、浮き輪を投げて救助したりすることもできる。
「空から見られている」と抑止力にも
フライングビーチガーディアンズの南政樹さんは「ドローンはライフセーバーたちの目となり、口となり、手となります」と語る。
その取材中に、危険エリアに海水浴客が立ち入ったという連絡がきた。ドローンが緊急発進、流れの速い河口付近で泳いでいた2人を発見し、「河口にいらっしゃる方にお知らせします。河口は入水禁止エリアです。絶対に入水しないでください」と伝えると、2人は危険エリアから離れていった。
南さんは「ドローンが飛んで来たら見られているんだなって、意識を持たれる方が多いと思います。抑制力になっているんだなと思います」
「特別な夏」の情景の一つだ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト