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テリー伊藤の吉村大阪府知事がインサイダーをしたかのような発言、大新聞はなぜ取材をしない

   コメンテーターといえば、テリー伊藤なる人物がいる。彼が、8月9日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS)に出て、爆弾発言をした。

   吉村洋文大阪府知事が、「ポンビドンヨードを含むうがい薬がコロナに効果がある」と発言をする1時間半前に、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)で、自分は知っていたというのである。

   テリーは「薬メーカーの株も買えるな」と一瞬思ったというのだ。事実、うがい薬のメーカーである塩野義製薬や明治ホールディングスの株は上がったそうだ。『ミヤネ屋』の宮根誠司と吉村の仲がいいことは周知の事実で、その日も、同番組で会見を生中継している。

   もしこれが事実だったら、インサイダーの疑いが出て、吉村の知事としてのキャリアは途絶えることになる。当然、吉村はツイッターで、「テリー伊藤さん自身が、TVでの発言を撤回されています。インサイダー取引は犯罪です。そのような事実はありません。ネット上での吉村インサイダー疑惑なるものは、名誉毀損になりますので、ツイートやリツイートは削除されるようお願いします。一線を超えるものは、然るべき対応をとります」と、脅しともとれる呟きをしている。

   テリーは前言を本当に撤回したのか? 彼はジャーナリストではないが、単なるお笑い芸人でもない。テリーはなぜテレビで発言したのか。事実関係に間違いがあったのかを、スポーツ紙ではなく一般の新聞はなぜ追いかけないのか。

   事実であれば吉村の政治生命は終わるし、デマだったとすれば、テリーの経歴が終わる。週刊誌が出るまで待つしかないのか。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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