京都の伝統行事「五山送り火」を前に、今月8日深夜(2020年8月)、「大」の字だけが勝手に点灯されるという"事件"が起きた。現場に手がかりは残されておらず、誰が何のためにやったのか、謎に包まれている。
五山の送り火は、毎年8月16日に京都市内の5つの山々に「大」の文字などの火をともし、お盆に戻ってきた先祖の霊を見送る行事だ。今年は新型コロナの影響で、規模を縮小して開催されることになっているが、今月8日午後11時ごろ、如意ヶ嶽に「大」の文字が約1時間、点灯されたのを複数の市民が目撃した。目撃した男性は「白い色で、ライトと言われればライトっぽかった。遠くから見てもはっきりわかった」と話していた。
5人以上で半日がかりの準備が必要。府警は「捜査しない」
大文字保存会の長谷川英文理事長は「伝統文化とか何のために毎年送り火をともしているか、そういう中身も趣旨も知らない、僕らから言えばバカのバカがやっている」と怒りが収まらない様子だ。
照明学会専門会員の松下進氏は、「ライトはLEDだと思います。看板などで使われる30~40センチの照明器具を50個以上置いたのではないか」と写真をもとに推測する。如意ヶ嶽は標高472メートルあり、文字の場所までは徒歩で約40分かかる。照明器具と発電機が必要なため、「5人以上は必要で準備に半日はかかる。下見も必要なので計画性を感じます」と松下氏は話す。実際の火がつけられたのではないため、京都府警では捜査の予定はないという。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「やろうと思えばいつでもできたはずなのに、今までこんなことはありませんでした。今年は(コロナの影響で)完全な形ではやらない、ということと関係があるのかもしれません」
青木理(ジャーナリスト)「警察が捜査しないと、このままうやむやになってしまいますね」