新型コロナウィルスで宿泊療養をしている患者が急増している。厚労省によると、8月5日(2020年)時点の宿泊療養者は全国で1660人。一週間前の984人に比べ1.7倍に急増している。それにともない目立ってきたのが無断外出する療養者の問題だ。
大阪市では先週金曜の8月7日、宿泊施設で療養中の30代男性が「部屋がほこりっぽい。申し訳ないが自宅で療養させてほしい」と無断で非常階段から抜け出し帰宅。同じ施設ではその4日前にも別の男性が無断で外出、近くのコンビニ店でさきいかなどを購入していた。神奈川県の宿泊施設でも先月23日、20代男性が「散歩に出て良いか」と警備員に尋ね、断られると非常階段から無断外出する騒ぎが起きている。
窓開かず、ベッドで狭い!軟禁状態に我慢できない!
スッキリでは、ホテル療養患者に実情を聞いた。都内ホテルの36歳男性によると、一日のスケジュールは朝7時と午後4時半に体温と血中酸素濃度の測定が行われるほか、午前10時頃に看護師とテレビ電話で健康チェック。食事は午前8時、正午、夕方6時にホテル1階ロビーに弁当を取りに行くが、エレベーターには行列ができる。男性は「部屋は窓が開かないので換気が気になる」と窮屈さを訴える。室内はベッドでスペースが埋まっているので、歩き回ることもできない。
先週までホテルで療養していた32歳男性も「発症した時は体調が悪かったが、入所時点では体調がいい。心身ともに健康なのに一週間も同じ部屋に閉じ込められて非常にしんどかった」と語る。甘いものが欲しくても買いに行けない。友人に差し入れをしてもらえるが、事前申請で届くのは翌日。男性は「ちょっと欲しいなというものをわざわざ持ってきてもらうのも...」と不便さを訴える。禁酒禁煙なので、お酒が好きな人、タバコを吸う人が無断外出したくなる気持ちもわかるという。
司会の加藤浩次「大変だと思うが、無断で外出したらそこにいる意味がなくなってしまう。なんとかこらえてほしい」
佐藤昭裕(日本感染症学会専門医)「家庭内感染を考えるとホテル療養が重要。PCR検査の数を増やすなら、ホテル療養の生活の質を上げないと破綻する。自宅療養にする場合は食事をどうするのかなど、体制を充実させることが重要」
近藤サト(フリーアナウンサー)「環境改善は必要。病院だと同部屋の人とコミュニケーションとったりするが、コロナの人は一切遮断されてしまう。彼らは疎外感、精神的な苦痛を受けているが、食事は冷たいお弁当が3食。ちょっと寂しいかなと思う」
文・みっちゃん