7月1日の白昼、倉庫に移管するため警視庁内の資料を運んでいたトラックが襲われた。警視庁刑事部資料係長兼専従捜査班長の片桐正敏(吉田鋼太郎)の指揮で、海老沢芳樹(田辺誠一)、水田環(倉科カナ)、青山新(塚本高史)らとともに臨場した天樹悠(東山紀之)は、解決済みの事件や事件性のない事故事案の資料を収めた「0(ゼロ)A」と呼ばれる段ボールが盗まれたことに気づいた。
トラック襲撃の2日後の7月3日午前、5年前に大学生・原田雅史を一方的に殴り殺しながら正当防衛を主張して不起訴となった経産省政務官・加倉井陽一の撲殺遺体が、渋谷区鷹山町の路地裏で発見された。そこは原田が殺された場所で、死因も同じ内臓破裂だった。
警視庁内の資料から解決済み事案の段ボールが盗まれる
さらに、4日夜、港区在住の資産家で元教育長・小林孝之(不破万作)の首吊り死体が、杉並区西荻窪の倉庫で見つかった。この倉庫は1年前、小林によって万引き犯にデッチ上げられた女子学生・大河内はるかが首吊り自殺した場所だった。犯人は、2つの冤罪事件の真相を明らかにし、被害者と同じ場所、同じ死因で真犯人を殺害するために、膨大な量の段ボールの中から「0A」だけを盗んだのだった。
翌5日、世田谷区成城本町で、殺人事件の被疑者の精神鑑定を数多く手掛けてきた大学教授・木下幸二(藤田宗久)の孫が誘拐された。2つの殺人事件の直前にも関係者の子供や孫が誘拐される事件が起きており、今回の誘拐事件も同じ犯人もしくはグループの犯行と考えられた。
天樹は、木下が過去に精神鑑定を担当した事件にも隠された真実があるのではないかと疑い、1件の裁判記録を入手する。それは3年前、帰宅途中の女性・本条美和(花奈澪)が殺害された通り魔事件の記録で、木下が行った精神鑑定により被告人・村上雅人(平田雄也)が無罪になっていた。
一連の犯行は遺族による復讐ではないかとの見方がますます有力になってきた。水田と青山が通り魔事件の被害者の父・本条健一(正名僕蔵)の事情聴取を行ったが、前の2件の被害者遺族・原田國広(阿南健治)、大河内貞夫(升毅)と同様、本条にも鉄壁のアリバイがあった。
だが、さらに捜査を進めると、本条には前の2件の殺人と誘拐事件のアリバイがないことが判明した。警視庁捜査一課管理官だった道上慎之介(田中哲司)の関与の疑いも浮上する。そんな中、天樹は通り魔事件で無罪となった村上の家を訪れ、あることに気づいた。
一方、事件の発端であるトラック襲撃事件の模様を専従捜査班のメンバーが再現した結果、ある重大な事実が分かったのだった。(よる9時放送)
寒山