テレビ朝日のコメンテーター玉川徹氏が6日(2020年8月)、同局の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で、PCR検査の拡充についてハンセン病問問題を引き合いに出し、ハンセン病の元患者たちを傷つける結果になってしまったと、約4分間にわたって謝罪した。
7月23日の放送で、玉川氏は自身が進めるコーナー「そもそも総研」の中で、「なぜPCR検査はいつまでも増えないのだろう」というテーマで放送した。新型コロナ対策分科会のメンバーのインタビューを中心とした企画だった。
「テレ朝は何度も謝罪問題を起こす玉川をなぜ使うのか」
その中で玉川氏は、PCR検査で疑陽性者が出てしまうと、その人たちの人権侵害に繋がりかねないと厚生労働省の専門家が考えて検査の拡充が進んでいないのではないか、その背景に過去のハンセン病裁判の人権侵害の認定が影響しているではないかという見解で放送した。この放送内容に元患者と支援者の2団体が抗議し、テレビ朝日に謝罪を求めていたのだった。
玉川氏は「そもそも総研」の最後に、
「ハンセン病裁判を長年戦ってきた方たちの存在や裁判自体がPCR検査を増やす障害になっているのではないかという誤解を招きかねないものだったと思います。そもそも、今回私も勉強して分かったのですが、新型コロナウイルス対策とハンセン病患者の隔離政策は全くの別問題です。元患者の方や関係者の方を傷つけることになってしまい、深くお詫びしたいと思います。申し訳ありませんでした」
と、謝罪したのだった。
ネット上では、「玉川氏はちっとも反省していない」と批判の声があふれている。
「玉川氏はまだわかっていない。『ハンセン病は感染力が極めて弱い』から、『新型コロナ対策とハンセン病患者の隔離政策はまったくの別問題』という認識自体が間違っている。ハンセン病の感染力が強ければ新型コロナと同じ扱いでいいと言っているに等しい。そもそもハンセン病の原因は『らい菌』であり、ウイスルではない。安易に違う現象を同じであるかのように扱うこと自体科学的ではない。この種の知ったかぶりの比較ごっこは同番組にも出る青木理氏の歴史認識、政治意識にも言えること。お二人とも言いたい放題と言論の自由を混同することは止め、違いのわかる目を養ってほしい」
「隔離・隔離・隔離と連呼しながら、隔離の辛さを放送する矛盾」
「モーニングショーを最後まで視聴していました。とりあえず神妙な顔をして、4分間にわたり言い訳をしていましたが、本当に反省しているのなら、コメント直後に何がおかしかったか、大声で笑ったり、促されたからといって奇天烈なストレッチをして笑いを取ろうとしたりは、絶対にしないはず。謝罪はパフォーマンスだったことが、番組終了までのわずかの時間で透けて見えました。これだけ、間違ったコメントを連発して、謝罪に追い込まれているのだから、普通の神経であれば、当面出演は自粛でしょう」
「PCR検査で疑陽性者が出てしまうと、その方の人権侵害に繋がりかねないという風に、厚労省の専門家が考え、その結果、検査の拡充が進んでいないんじゃないか、その背景に過去のハンセン病裁判の人権侵害の認定っていうものが影響しているんじゃないかという見解でした。この話し自体が怪しいと思っているんだけど。偽陽性なんか本人には分からない事でしょう?問題の本質はPCR検査をして、隔離・隔離・隔離と連呼した事だと思うけど。昨日の放送では隔離って言葉は差別につながるから養護にしましょうと言っていたのに、今日の放送ではまた隔離って言葉を使い始めましたね」
「隔離・隔離と喚き散らしながら、同じ日・同じ番組・同じ(コロナ関係)コーナーで『2週間隔離された人』にインタビューして、『2週間どれだけ辛かったか、大変だったか』ということを放送する『ダブルスタンダード』が当たり前。昨日言ったことを忘れるなんて日常茶飯事ですよ」
「玉川氏は、そもそも、今回私も勉強して分かったが...と言っているが、放送してから勉強するのではなく、勉強してから放送するようにしてはどうか」
「この人のこういう不用意な発言で関係者の方々に迷惑を掛けたのは初めてじゃない。この人が1回謝罪すれば済む問題でもなく、この人を起用している番組責任者、及びテレビ朝日の社長が謝罪するべき。視聴率のために過激な発言をさせるのもいいですが、そのうち取り返しのつかないことになりますよ」(テレビウォッチ編集部)