中国で、新型コロナウイルスとは別の「新型ブニヤウイルス」が猛威を振るっている。江蘇省では今年に入り、1つの病院だけで37人の感染が確認されたほか、山東省で20人、安徽省で23人、浙江省で2人など、80人以上の感染が確認されている。死者も10人以上出ている。
現地メディアによると、新型ブニヤウイルスの症状は、発熱、倦怠感、嘔吐、出血などだ。中国のSNSでは「新型コロナが落ち着いたと思ったら、ブニヤ?」「困った。2020年は生き残るだけで幸せだ」などの投稿がされている。
血が止まらなくなり、死亡率は6~30%と高い
昭和大学医学部の二木芳人客員教授は、新しいウイルスの可能性もあるが、症状を見るとSFTS(重症熱性血小板減少症候群)に似ているとして、「SFTSは日本でも増えている感染症で、血が止まらなくなるのが特徴。2013年ごろから少しずつ増え、去年は100例以上の感染が報告されている。マダニに噛まれることで感染するので、林に入ったりしたときにマダニに噛まれて感染する事例が多い」と言う。
これまで日本では517人が感染し、70人が死亡。致死率は6.3~30%と高い。
二木教授は続けて「数字は大きいが、ほとんどがお年寄りで、若い人で命を落とす例は少ない。対症療法が進んで、少しずつ死亡率は下がっているが、まだ予防法・治療法はない」と解説した。
社会学者の古市憲寿が「でも、飛沫感染はしないので、草むらなどに入る時に長ズボンを履くなどすればリスクは避けられる」と言うと、二木教授は「おっしゃる通り」として、さらに「虫よけスプレーをするのも効果があります」と話した。