5日(2020年8月)神戸市・有馬温泉で行われた将棋の王位戦の第3局2日目で、藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)を破って、7番勝負に3連勝。2冠に王手をかけた。次の第4局は19日からだが、2冠になるとまた最年少記録になる。
藤井棋聖は攻め続け、中継の解説で評価値の数字が83%で圧倒的と思われたのが、突然50%のイーブンに下り、さらに数字が消える場面も出現。藤井棋聖が思わぬミスをしたらしく、解説者の「あれ?」という声まで出たのだが、再び持ち直し、149手で勝ちとなった。
解説者も「あれ?」と驚く藤井聡太のミス
この結果に、師匠の杉本昌隆八段(51)は「藤井聡太も人間だったなと、正直思いました。(勝因は)しぶとく食らいついていった精神力の強さですね」と、たたえた。
当の藤井棋聖本人は「これまでの将棋内容をしっかり反省して、第4局はいい将棋をさせるようにしたい」と言ったが、今回藤井棋聖がとったのは80年前に流行した「土居矢倉」という戦法だった。
現在多く用いられるのは「矢倉」で、守りが硬く、少しミスをしても挽回できる。しかし、「土居矢倉」は守りの硬さを減じて早く攻めに転じられる。守りが弱い分、ミスが即負けにつながるという。
藤井棋聖がなぜ「土居矢倉」を使ったか。将棋ジャーナリストの松本博文さんは、「ミスを恐れて守り重視の矢倉を使うことが多いが、AIはミスが少ないので土居矢倉を多用する。若い世代はAIを学ぶ機会が増えた」という。
司会の羽鳥慎一「むろん、藤井さんの凄さはあるのですが、AIの登場で、戦法に変化が現れているという」
高木美保(女優)「80年前のものが、一周回って新しくなったのですかね」