「戦争遺品・資料施設」相次ぐ閉鎖――人も予算も減って維持・管理もう難しい

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海外の慰霊碑もお参りできる人いなくなって撤去

   こんな中で、いま戦争遺品がネット上で売られている。「旧日本海軍の士官用8000円」といった具合で、靴や服のほとんどが出回る。本物の軍服を着て「歴史を追体験する」若者グループもある。20代の男性は「あくまで服として普通に使い、使いつぶすこともあります」という。

   東京都江東区にある「「東京大空襲・戦災資料センター」館長の吉田裕・一橋大名誉教授は、「戦争の性格をどう考えるかのコンセンサスができていない」「国が本来やるべき戦争体験の継承に支障をきたしている」「戦争ゲームをはばかる文化が崩れている。若者たちの姿は、象徴的な出来事かもしれない」と語る。

   慰霊の場も消えつつある。フィリピンのレイテ島で従軍した松本實さんは、生き残った戦友と45年前、現地に慰霊碑を建て、毎年お参りを続けてきた。しかし、いま訪れるのはもう松本さんだけ。去年(2019年)12月に訪れ撤去した。この3年間で、海外の少なくとも27の碑が撤去された。国内でも、遺族や戦友の高齢化で維持管理できないケースがふえた。

文   あっちゃん
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