東京・世田谷区が新型コロナウイルスのPCR検査を大幅に拡大する方針を打ち出した。世田谷区は東京23区で最も人口が多く、約94万人。下北沢、三軒茶屋、二子玉川などの繁華街も多く、全国で1242人の感染が確認された29日(2020年7月)には、世田谷区でも47人の感染者が確認された。陽性率も約12%になった。
保坂展人・世田谷区長は「予算の効果的な使い方は、PCR検査の一挙拡大です。検査数を(1000単位と)1ケタ増やし、定期的な検査を行います」という。とくに、東京大先端科学技術研究センター・児玉龍彦名誉教授の提唱を受けて『世田谷モデル』を始めるという。
世田谷モデルは「PCR検査を誰でも、いつでも、何度でも行う」というもので、保坂区長は「コロナ封じ込めの成功例に学ぶ」として、1日7万件検査のニューヨーク市を参考にしたという。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「やっと行政の長から、誰でもいつでも何度でもを目指すという話が出てきましたね」
大感染を抑え込んだニューヨークをお手本
ただ、課題はある。まず予算だ。世田谷区の貯金である財政調整基金は約300億円。保坂区長は「PCR検査は一人あたり3万~4万円だが、大量検査で効率化して下げられるか考えている」と言う。
課題の2点目は医療体制だ。世田谷区内の入院患者数は29日時点で108人、宿泊療養者は44人、自宅療養者は64人いる。保坂区長は「病院関係者からは感染者急増に備えもっと施設を確保したいが、今年前半で3億~4億円の赤字が出ていると聞いています。そこの支援も行わなければなりません」。人員も足りない。保健所、地域外来検査センター、帰国者接触者外来など、今の体制では1日300件の検査が限界だという。保坂区長は「1回で大量の検査ができるオートメーションの機械を導入して、一挙に検査を行う。機械が検査センターの近くにあれば、搬送の手間もなくなるはずです」と語る。
玉川「財源は国に支援してほしいところですね。世田谷区はふるさと納税で100億円近くが流出しているということなので、僕は世田谷にふるさと納税しようかな」
保坂区長「ぜひふるさと納税してください」