中国発の動画投稿アプリ「TikTok」が個人情報の流出につながると、アメリカのトランプ政権が締め出しに動いている。ポンペオ国務長官が今月初め(2020年7月)に「禁止を検討している」と言いだし、米政府が主張する「個人情報抜き取り」に同調する国もあり、インドはすでに禁止、オーストラリアも検討中、日本でも自民党のルール形成戦略議連が政府に禁止するよう法整備を訴えた。
「TikTok」日本法人は「ユーザーデータを中国に提供したことはなく、求められても提供はしない」といっているが、中国は国家情報法で、政府から求められたら、中国企業は情報を提供しなければならないと定められている。情報の専門家は、閲覧内容、位置情報、使用端末情報などで、知りたいと思った人物の動静がつかめるという。
トランプの大統領選向け反中国キャンペーン
このアメリカの動きを、モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)が解説した。米政府の動きの理由は2つあるという。ひとつは大統領選挙だ。トランプは民主党のバイデン元副大統領に支持率で遅れをとっており、中国と対決することで、かつて中国の習近平主席と親しかったバイデンを攻撃する意図がある。もうひとつは、アメリカが内向きになったために、外交戦略的にあちこちに開いた穴を中国が埋めているということがある。知的財産・経済問題でも、軍事的にも、トランプは中国と対立せざるをえないという。
司会の加藤浩次は「TikTokの悪用といっても、よくわからない。
ロバートソン「たとえば、中国に批判的な言論人がいたとします。その娘さんの情報から、個人情報や持病などの弱みをつかんだりできるんです。考えが揺れ動いている人を、中国側へ誘導することも考えられます」
加藤「そうすると、規制も仕方がない?」
ロバートソン「公の仕事をしている人はやめたほうがいいかもしれない」
坂口孝則(経営コンサルタント)「僕は、完全な禁止にはいまひとつ疑問があります。ファーウエイの時もそうだったけど、必ずしもアメリカのいう通りかどうか」