椅子に座った少女の前で土下座する男性――韓国・平昌の植物園に設置された銅像が物議をかもしている。「永遠の贖罪」と題され、慰安婦問題を象徴する少女像の前で土下座しているのは、安倍晋三首相をモチーフにしたものだという。きのう28日(2020年7月)、菅義偉官房長官が定例会見で「国際儀礼上、許されないと思います」と強い不快感を表明した。
韓国自生植物園は観光名所として親しまれている民間経営の植物園だ。「とくダネ!」取材班がきのう28日、現地を訪れたところ、韓国メディアも多数取材に来ていた。男性像は確かに安倍首相に見える。彫刻家に製造を依頼した金昌烈園長は今月26日(2020年7月)、韓国メディアに対して「謝る人を明確にする必要があったので、象徴として安倍首相で作った」と明言し、植物園が作った資料には像の別名として「謝罪する安倍像」と明記されているという。
園長は「安倍首相ではないが、むしろその人だとありがたい」
「とくダネ!」の取材に金園長は、「私の個人的な考えが入った作品というだけで、大ごとになるのは望んでいない」「(像の男性は)様々な責任をとれるような人だ。慰安婦像の父親かもしれないし、この先謝罪してくれる人かもしれない。日本の安倍首相を想定したわけではない」と曖昧な回答に終始した。一方で「むしろその方だとよかったのですが...。(安倍首相が)謝罪してくれたら、ありがたいじゃないですか」とも語った。
この像について、韓国外務省の金仁澈報道官はきのう28日、「どこの国であれ、国の指導者に対して礼儀を考慮するのは必要だと思います」と記者の質問に答えていた。韓国では「日本大使館前にも設置しよう」「日本人や安倍首相はこれ以上に謝罪しなければならない」という意見の一方で、「幼稚すぎる」「もう許してあげてもいいのでは」という声もある。
日本でも、街の人たちは「心が痛い。見ていられない」「一番ご近所なのだから、仲良くすればいいのに」と話していた。
司会の小倉智昭「安倍さんの顔だと言われれば、見えないことはないですよ」
伊藤利尋キャスター「ヘイト的なやり方を許容する空気は気になります」
古市憲寿(社会学者)「民間人が私有地に作ったものについて、韓国政府が撤去させるというのも違う。メディアが取り上げて大騒ぎしすぎちゃったのかなとも思います」