東京都足立区は13日(2020年7月)、「ながらスマホ」を禁止する「ながらスマホ防止条例」を施行した。北千住駅前商店街の横断歩道を観察していると、スマホを見ながら歩いたり自転車に乗ったりしていた人が、2分間に10人もいた。「行きたいところがあったので、地図を調べようと思って」(30代女性)、「ニュースを見たり、天気予報とか」(30代男性)。通話、SNS、地図、ゲーム、音楽など事情は様々だ。しかし、今回の条例では、これらすべてが禁止された。区民だけでなく、足立区を訪れる人も対象だ。
違反したらどうなるの?「いずれ罰則も必要」と提案区議
条例案を提出した古性重則区議は「車を運転している時に、ながらスマホで信号無視をしてきた自転車を、ひいてしまいそうになったのがきっかけ」と話す。
区民の間では、「厳しすぎる」「そこまで規制する必要はないんじゃないか」「事故はなくなるかしれないが、いろんな面で不便になりそう」といった声も少なくない。
区議会でも、「法規制を超えて区民の権利期限を行うことになる」「最先端のテクノロジーの活用が制限される」などと紛糾した。
ところで、禁止とそうでない部分との線引き、違反したらどうなるのか。担当者によると、細かい点は今後整理したいといっている。提案した古性区議は「将来的には罰則も必要。その際には細かい規定も決めたい」と語る。
司会の羽鳥慎一「この条例の意図はよくわかりますが、ポイントは条例だということですね」
浜田敬子(ビジネスインサイダージャパン統括編集長)「私もヒャッとすることがよくありますので、何らかの対策が必要だと思いますが、区民の生活に影響が大きいので線引きのところや、法的な拘束力がどこにあるか、といったことなど、もう少し議論した方がいいと思いますね」
斎藤ちはるアナによると、東京消防庁管内の「ながらスマホ」での救急搬送は5年間で201人。内訳は「人や物にぶつかる」43%。「転ぶ」31%。「駅のホームなどから落ちる」24%となっている。