年間100万トンにのぼる日本の衣類の廃棄量。「コロナ禍で、さらに増えています」と司会の国山ハセン。
古着を東南アジアやアフリカにリユース販売し、孤児院にも寄付しているNPO法人「ザ・ピープル」の吉田恵美子代表は「コロナの影響で海外へのルートが途絶え、在庫がたまっています。また、自粛生活する方々が断捨離をして、タンスの洋服を整理する人が多く、回収量が増えています」。
倉庫には古着が天井まで山積み。吉田代表は「焼却処分も考える」という。
静岡県掛川市では、ごみ焼却炉のベルトコンベアーに古着が詰まり、2基が故障した。市長は「ごみ処理非常事態宣言」を発令し、出せるごみの種類を制限している。
フランスでは服を捨てたら違法、回収箱が街中にある
新品の在庫も激増している。外出自粛で消費が減り、デパートや小売店の休業もあり、アパレル関連会社の社長は「この状況が続けば廃棄するしかないです」と頭を抱える。
司会の若林有子アナが「実は、感染拡大前から日本の衣料の大量廃棄は問題になっていました」とグラフを示した。1990年は生産量と消費量が同じだったが、そのあと生産量が急激に増え、2019年は28億枚の生産に対し消費は半分しかなく、14億枚が余剰在庫になっている。「たくさん作って価格を下げるという理由もあり、どうしても増えてしまうのです」と若林アナ。
メーカーの在庫を安値でまとめ買いし、再販売を行う業者もある。大阪の株式会社「shoichi」。ブランド品もタグを切り取って再販売し、正規品で3万8000円のものが1000円と激安で売っている。山本昌一社長は「1月は100万枚くらいの在庫でしたが、6月末で200万枚に増えちゃいました」。廃棄ロスを利用している業者でも在庫が増えているのだ。
フランス在住の西村博之(2ちゃんねる開設者)「フランスでは街角に服の回収箱が、500メートル置きぐらいに置かれています。靴やカバン、ベッドのシーツとか、リサイクルできるものを入れて再利用する取り組みです。そもそもお店が服を捨てるのは違法です。食べ物も消費期限切れのポテトチップも捨てないでNPOがホームレスの人たちなどに配っていますね」
キャスターの立川志らく「日本でも服を捨てちゃいけないというのをルール化したらどうですかね」
文・ムギ