ALS患者嘱託殺人、患者はどうみたか?「やっぱり起きたか。生き地獄だ、でも絶対勝ってやる」

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   難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)を殺害したとして、京都府警は23日(2020年7月)、元厚生労働省医療技官で仙台市泉区の医師、大久保愉一(よしかず)(42)と東京都港区の医師、山本直樹(43)の両容疑者を逮捕した。2人は女性の依頼を受けて2019年11月30日に女性宅を訪問、薬物を投与したとみられている。事件直前には、山本容疑者の口座に130万円が振り込まれていた。

   2人と患者が知り合ったきっかけはSNS。普段から周囲に「安楽死させてほしい」と語っていた女性は「屈辱的でみじめな日々が続く。ひとときも耐えられない」と書き込んでいた。

安楽死に真剣に取り組んでいる医師を踏みにじる行為

   容疑者たちはどんな人物だったのか。フジテレビは2010年、大久保容疑者をドキュメンタリー番組で取材していた。大久保容疑者は当時「官僚をやっていたころはおごっていた。恥ずかしいと思う」と答えていた。診察を受けていた患者たちも「すごく優しい先生、いろいろ調べてくれる先生だった」と語る。

   しかし、その一方でブログには「みるからにゾンビとなって生きているので痛々しい。医療行為を続けることもためらわられますが、仏心を出して手を下せば殺人犯」と過激な言葉も。

   一方、山本容疑者には師免許不正取得の疑いも出ている。海外医学部を卒業して医師国家試験を受験したが、卒業は確認できていないという。

   患者たちはこの事件をどうみたのか。10年間ALSと戦っている40歳男性は、「こういうことがいつか起こるだろうと思っていた。やっぱり起きたか。患者が強く望んでいることに答えるのは大事だと思うが、死ぬ方法より生きる方法を考えていくのが医師として大事なこと」と語る。「生き地獄、でも絶対勝ってやる」とも。

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