本来なら「2020東京五輪」が開幕する予定だった23日(2020年7月)、東京五輪の大会組織委員会が開会式開始と同じ時刻の午後8時から、五輪のメインスタジアムとなる国立競技場でイベントを開催した。
白血病からの復帰を目指す池江璃花子さん(20)=日本大2年=が一人で登場し、無観客の競技場で聖火のランタンを掲げ、「希望が遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても前を向いて頑張れる。1年後の今日、この場所で、希望の炎が輝いていてほしい」と語った。イベントは、ネット動画でも世界に配信された。
「免疫が落ちている彼女を引っ張り出すな!」
しかしネットでは批判の声が上がっている。
「白血病と闘うアスリートとして彼女の治療に対するモチベーションも上がるかもしれない。ただマスコミなど彼女を酷使しないようにして欲しい。適度な起用なら良いと思うが」
「こういうことに池江璃花子さんを使わないで欲しい。彼女は応援するけど、まだまだコロナの状況が不透明な中で、国民の気持ちを逆撫でしてしまうよ、これは」
「免疫が落ちている彼女を引っ張り出すな!」
などと彼女の健康を心配し、「政治利用」を批判するコメントが相次いだ。
「彼女自身はパリ五輪を目指すと言っているのに」
イベントを取り上げた26日朝のサンデーモーニング(TBS系)でコメンテーターの浜田敬子さん(ビジネスインサイダージャパン総括編集長)はこう指摘した。
「池江さんのメッセージに感動した方も多いと思いますが、スポーツ関係者の中からは彼女自身はパリ五輪を目指すと言っているのに、なぜ東京五輪のイベントに起用したのか、残酷ではないかという意見があります。今、否定的な感情が多くなっているオリンピックに対して、世論を変える意味で、彼女の個人的な闘病の物語、池江さんという立場を利用したのではないかという意見も出ています」(テレビウォッチ編集部)