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コロナ禍で社会も経済も人々の心もペシャンコの日本...存亡のカギ握る7つの課題

   大相撲が一向に盛り上がらない。その一端は、中川部屋の不祥事にある。中川親方(元幕内旭里)が弟子たちに暴言を吐き、暴力を振るっていたことが、弟子たちの告発で判明し、2階級降格処分になったのである。週刊新潮は、その恫喝ぶりと、聞くに堪えない暴言を録音したものを入手したという。

   中川部屋の前身は春日山部屋で、春日山が先代の親方から年寄株を譲ってもらえず、裁判沙汰になり、その混乱の責任をとって春日山は辞任し、そこを中川が継承したそうだ。中川親方は、コロナのこの時期、タニマチなどとの会食は控えるように協会からいわれていたのに、会費5000円でタニマチたちを呼んで、売り上げを懐に入れていたという。

   中川は先輩たちにはヘコヘコ頭を下げ、相撲界に残れる2階級降格処分を手にした。甘すぎるという批判があるようだが、しょせん相撲村のこと、厳しくすれば自分たちに火の粉がかかってくるから、やれるわけはない。

   最後に、これだけは読んでおいたほうがいい特集をニューズウイーク日本版から。コロナで日本的経営が克服すべき7つの課題だが、できれば買って全文読んでもらいたい。ペストやスペイン風邪の歴史からもわかるように、感染症の流行は変化を加速させるという。なかでも、労働生産性が先進国では常に最下位だった日本は、対応を間違えると取り返しがつかないことになるというのである。

   1つは需要変化への対応。外食産業に限らず、過当競争からの脱却は時代の必然だ。2つ目はデジタルシフト。コロナで食事などのデリバリーが当たり前になってきたが、デリバリーシフトは構造的なものであり、コロナ危機が終息しても元には戻らない。3つ目は、日本的なムラ社会的組織の終焉。1870年代以降、日本企業は管理職の比率を増大させ、社内失業者も大量に抱えてきたが、こうしたムラ社会は強制終了させなくてはいけない。

   4つ目は、下請けと中抜き。電通が官僚とつるんで血税を中抜きしていることが問題になっているが、もともと日本企業は、丸投げと中抜きという商習慣が根付いている。そのために中小企業は収益性が低いから、これを早急に改善しなければいけない。5つ目は、不十分な設備投資。日本の輸出がGDPに占める割合はドイツと比べると圧倒的に低く、もはや輸出立国ではない。国内需要を拡大させるためには、設備投資が十分に行われなければいけない。

   6つ目はサプライチェーンの縮小。マスクが払底したように、海外ではなく国内での生産を拡大していかなくてはいけないが、そのためには賃金を上げて購買力を増やさなければならない。7つ目は異常な住宅政策を変更しろ。内需型経済へ転換すると、ほぼ例外なく住宅政策を充実させなくてはいけない。良質な中古住宅の流通を増やすと同時に、生涯賃貸でもいいように、優良賃貸物件の整備を積極的に進めろ。これができなければ、この国は最貧国へとまっしぐらだ。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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