玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)が担当する「そもそも総研」で、「PCR検査はなぜいつまでの増えないのか」を取り上げた。人口1000人当たりの各国のPCR検査数は、アメリカ97.39人、イタリア89.15人、イギリス73.64人、ドイツ70.10人、韓国24.44人に対し、日本はわずか5.3人だ。
ニューヨークではいたるところに検査場が設置され、1日当たり7万件の検査が可能。ドイツのバイエルン州は無症状の住民も無料で検査を受けられる。各国のPCCR検査を含む1日当たりの検査能力を比較すると、米国は50万件、ドイツは16万件、フランスは10万件、中国はなんと378万人だが、日本はようやく3万2000人に拡大されただけである。
政府の新型コロナ対策の分科会メンバーで、東京財団政策研究所の小林慶一郎氏は「できるだけたくさんの数の検査をたくさんの人に繰り返しにやること。それで真の陽性患者を見つける確率は上がり、市中感染者を見つけられる」と言う。分科会でも、検査を増やすほど感染リスクは減るという事で認識は一致している。
厚生労働省「日本国民全員を検査したら医療資源が逼迫」
小林氏によると、検査数が増えない最大の要因は「擬陽性」。「擬陽性とは感染していないのに、誤って陽性の結果が出ることで、それを隔離してしまうと人権侵害になると慎重になっているようだ」という。この傾向は専門家や役所の医系技官らに顕著で、「根っこにあるのは、人権侵害をやったと言われたくない思いがあり、ハンセン病などの隔離政策が過去に否定された経験によるのではないか」と話す。
厚生労働省は「偽陽性が発生するから検査の数を増やしていないという考えはない」と否定したが、「たとえば、日本国民全員にPCR検査をすると、一定の割合で偽陽性がでるだろう。その場合に、入院したり医療資源を逼迫させてしまうことは考慮しないといけない」と付け加えた。
白鴎大学の岡田晴恵教授は「擬陽性の人を隔離して訴えられたら、裁判で負けるかもしれない。そういうリスクを感じている面はあると推察できます。ワクチン投与でも、副反応が出れば裁判で負けるので、日本では先進国と比較してワクチン接種が広まらない」
高木美保(タレント)「長期にわたって続く隔離政策は人権侵害ですが、コロナをそれと一緒に考えるのは無理があるように思います」