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1兆7000億円は看護師ら医療従事者にばらまけ!政治家や官僚どもは理屈言う前に現場の経験しろ!

   今朝、私の友人が院長をやっている中野区の医院へ、胃のレントゲンに行ってきた。区で一番大きい個人病院で、看護師の人数も多い。会うと第一声、「大変だよ、このままだと潰れる」と悲鳴のようにいった。コロナで、通常の3,4割患者が減っているという。「早い段階で国は、健康保険の点数を2倍に引き上げるといったのに、何もしない」と憤っている。怒ったまま、鼻から管を入れて大丈夫かと心配したが、胃のほうは無事無罪放免になった。

   文春でも、医療者の慰労金が「遅い! 少ない!」と、医療現場の人たちが憤懣をぶちまけている。中でもボーナスゼロと回答したために、約400人の看護師たちが退職の意向だと報じられ、話題になった東京女子医科大学病院の看護師Aが、「ボーナスが出ないのもショックでしたが、一番大きかったのは病院側の弁護士が組合側に言った『(看護師が)足りなければ補充する』という発言。駒としか見られていないことが分かり、多くの同僚が一斉に退職願を出しました」

   と話している。報道後に病院側は、賞与に代わる手当を支給ができるか検討すると発表したが、ほとんどが信じていないようだ。

   長い勤務時間、コロナ感染への恐怖、コロナ以外の重症患者の受け入れができないなど、医療現場は疲弊し、従事者たちは疲れ切っている。それなのに、自分たちの利権狩りに忙しい政治屋たちは、現場も見ず、「Go To」とは比べものにならないくらい少額の予算しか組まなかった。第一次補正予算では、「病床・軽症者等受入れ施設の確保」としてわずか1490億円。5月末の二次補正でようやく「医療提供体制の整備」のため、2兆2370億円を計上したが、これの支給は10月以降になるといわれているそうだ。遅すぎる!

   日本医療労働組合連合会の森田進書記長がいうように、東日本大震災のときにやったように、「去年と同じ分の補償」をするべきだと、私も思う。

   この国のクソ政治屋と官僚たちは、自らすすんで新型コロナウイルスに罹る"体験"をしたほうがいい。永田町村に閉じこもっていては、民の真の苦しみ、痛みなどわかるはずはないからだ。(文中一部敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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