業者泣かせの大混乱のなか「東京除外」で強行されるGoTo「利用者の性善説」頼りで大丈夫なのか?

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   22日(2020年7月)からスタートする「GoToトラベルキャンペーン」。国内旅行料金の半額割引やクーポンで還元する消費刺激策だが、東京在住の人の旅行と東京を目的とする旅行は対象外となった。これが大きな混乱を呼んでいる。

   旅行予約サイト「skyticket」運営会社の中村俊一社長は「東京除外によって、予約者の住居確認が必要になった。メールしても返事がなければ電話するしかない。1日の申し込みは3000~4000件となるので膨大な作業になっている」と訴える。旅行アナリストの鳥海高太朗氏は「東京在住でも住民票が地方にあればセーフになる。35%の割引を受けるために、住民票を移す動きがある」と明かす。

「国のキャンペーンなのにキャンセル料がかかるのはおかしい」

   中村社長によると、「東京除外」発表後、約2630件の予約キャンセルがあり、キャンセル額は約3000万円にのぼる。クレーム問い合わせは約600件。「国が決めたキャンペーンなのに、キャンセル料がかかるのはおかしい。キャンセル料はお前の会社で払え」というクレームだ。

   GoToの対象なのか、対象ではないのかもあいまいで、事例を挙げて紹介した。

   大阪の家族が東京ディズニーリゾートに行くため、パッケージツアーで千葉に宿泊。ツアーに東京スカイツリー観光も入っているとすると、キャンペーン対象外になる。しかし、大阪在住のサラリーマンが出張で千葉に宿泊、東京での会議に出席する場合は割引対象になる。さらに、福岡在住の母子が東京に単身赴任の父と北海道で合流して旅行をする場合は、母子のみが対象になる。

   国土交通省の担当者は「利用者の性善説に立つしかない」としている。赤羽一嘉国土交通相は、団体旅行について「若者の団体旅行や重症化しやすい高齢者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行などは控えていただくことが望ましい」としたが、若者、高齢者、大人数の線引きはあいまいなままだ。

   俳優の石原良純「受け入れる側も行く側も混乱している。今は人間対自然の闘いだが、これが人間対人間になっていくのが一番怖い」

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹「業界を救うのではなく、まず感染をなくさないと焼け石に水となる。それじゃ遅いという業者の気持ちもわかる。だから第3の道として積極的なPCR検査が必要。感染していない人で経済を回すしかない」

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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