「森友文書改ざん」自裁した財務省職員妻に口から出まかせLINEする安倍昭恵の無神経!「お線香をあげたい」

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   久々に安倍昭恵の話題。森友学園を巡る財務省の公文書改ざん訴訟が7月15日(2020年)、大阪地裁で始まった。当時の佐川宣寿理財局長から改ざんを強要され、それを苦にして自裁した赤木俊夫近畿財務局職員の妻・雅子が、「(佐川が=筆者注)指示していないなら指示していないと、本人の口から聞きたい」と考え、起こした訴訟である。

   森友学園への超格安国有地払い下げ問題は、籠池理事長(当時)と親しかった昭恵が、その国有地に案内されて、「いい土地ですね。話を進めてください」と語り、国有地をバックに籠池夫妻と笑顔でスリーショットを撮ったことに端を発している。

   その後、「神風が吹いた」(籠池)ように近畿財務局の態度が一変し、とんとん拍子で大幅に値引きされ、払い下げられたことはよく知られている。夫の赤木が亡くなった"元凶"は昭恵といってもいいはずである。雅子は今年の4月に、昭恵に宛てて、夫が改ざんをさせられ命を絶ったことをどう考えているのかという趣旨の手紙を出したが、返事は来なかった。

  • (画像は安倍昭恵Facebookより)
    (画像は安倍昭恵Facebookより)
  • (画像は安倍昭恵Facebookより)

昭恵の浅慮、口から出まかせの実のない言葉には呆れるより、怒りが湧いてくる

   赤木の遺書をスクープした相澤冬樹・大阪日日新聞記者が週刊文春で、ある筋から昭恵の携帯の番号を入手したと書いている。雅子が電話したが留守電だった。雅子は携帯電話の番号から、LINEの「友達の自動追加」をONにした。そしてこうメッセージを送った。「赤木雅子です。LINEでも失礼します。お返事いただけましたら嬉しいです。よろしくお願いします」

   普通の感覚では、森友学園問題で追及されている当人が、自分の不始末の処理をさせられ自裁した妻からのLINEに返事を返すということは考えられない。だが、この女は並みの神経ではない。1時間ほどして返事が来た。「お手紙のお返事をせず申し訳ありません。ご主人様のご冥福を心よりお祈り申し上げます」

   雅子が「お手紙読んでいただきましたでしょうか?」と送ると、「はい」と返ってきた。だが、「どうお感じになられましたでしょうか?」と送ると、返事は戻って来なかった。しばらくして、雅子が「コロナや色んなことがおさまったらぜひ神戸の自宅にお越しください。夫が喜ぶと思います」と送った。

   6日後、昭恵から、LINEがご本人かも確信がなく、また内容がマスコミに報じられると疑っていたという前置きで、「色々なことが重なり人を信じられなくなるのは悲しいことですがご理解ください」という返事が来る。感激した雅子が、「大変な中お返事をありがとうございます。(中略)マスコミの報道に負けないでください!」と書き送ると、ありがとうございますという昭恵をモデルにしたスタンプと共に、「いつかお線香をあげに伺わせてください」という驚くべき返事が返ってきたというのである。

   ここまで読んできて、私は頭が混乱する。雅子が提訴している理由は、不透明な国有地払い下げの経緯をまとめた文書の中から、昭恵の痕跡を消すことだったと、佐川の口からいわせることだったはずである。もし佐川が喋れば、亭主の安倍ともどもマスコミから指弾され、総理辞任にまで発展するかもしれないのだ。それなのに「マスコミに負けないで」とは、いささか首を傾げざるを得ないが、昭恵の浅慮、口から出まかせの実のない言葉には、呆れるより、怒りが湧いてくる。

   この女は自分の置かれた立場をいまだに理解できないのだろう。SNS中毒患者で、LINEを送られると、深く考えずに手が自然に動き、心にもないことを書き連ねてしまうのだろう。

   このところの報道で、首相官邸のネット・SNS戦略を担っている4人の「広報調査員」のうち、1人が電通から出向している人間だということがいうことが明らかになっている。しかも4分の1ではなく、この電通の人間が実質的に取り仕切っているといわれる。

   昭恵のこうしたSNSに対しても、広報の人間が何らかのアドバイスをしていると考えられる。「人を信じられなくなるのは悲しい」と、自分も被害者であるかのように泣いて見せる。「いつかお線香をあげに伺わせてください」と、時期を切らずに、私には十分その気があるんだけど、気持ちだけはわかってねと、相手の感情に訴えかける。

   このやりとりは、必ず週刊文春に出る。読者の中には、昭恵は赤木の死を悼んでいるようだと"錯覚"する者もいるかもしれない。平易だが、なかなか文章作法を心得ている人間のように思う。

   佐川側は「公務員の不法行為について公務員個人は損害賠償責任を負わないとする判例がある」と反論しているそうだ。この裁判、裁判長の覚悟も問われている。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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