多部未華子にはOL役がよく似合う。NHK「これは経費で落ちません!」しかり。この「私の家政夫ナギサさん」またしかりだ。
多部演じる相原メイは、天保山製薬横浜支店に勤務するMR(医療情報担当者)。営業成績トップをキープし、北横浜エリアのチームリーダーに抜擢された28歳のキャリアウーマンだ。だが、仕事に打ち込むあまり、家事はカラッキシで、自宅マンションはゴミ屋敷同然に散らかっている。
送り込まれた指名率ナンバーワンのスーパー家政夫
そんな中、そろそろ結婚も気になるメイの前に、ライバルの外資系企業アーノルド製薬のMR・田所優太(瀬戸康史)が現れる。田所はさわやかなイケメンで、仕事もできる。おまけにメイのマンションの隣の部屋に住んでいるという設定だ。
一方、支店内にはメイが教育係となった新入社員MR見習い・瀬川遙人(眞栄田郷敦)がいる。世間知らずで頼りないが、こちらもイケメンだ。
通常なら、2人のイケメンの間でメイの恋心が揺れ動く......という構図だが、そんな予定調和的展開に割って入るのが、家事が一切できないメイの身の回りの面倒を見る50歳の家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)。見た目は「フツーのオジサン」だが、メイの妹・福田唯(趣里)が働く家事代行サービス業者「NTSクリーンハウス」で指名率ナンバーワンを誇るスーパー家政夫だ。唯はある思惑を持って、ナギサをメイの家政婦として送り込んだのだった。
掃除、洗濯、料理の家事全般を完璧にこなすナギサだが、これまでのところ、その経歴や私生活は明かされていない。独身なのか、妻子がいるのかも不明だが、その正体を探るわずかなヒントの一つが、メイが広げていた資料を一目見ただけでMR関連の資料だと気づき、「薬剤の適応疾患」といった専門用語をサラリと言ってのけたことだ。そんな謎多きオジサンを、大森が安定した演技力でコミカルに、ときにシリアスに演じる。
多部がキュートすぎて、ついついオジサンに肩入れ
視聴者は、メイの恋の行方にハラハラすると同時に、唯の思惑やナギサの身の上をめぐる謎解きも楽しめ、飽きることがない。
原作は、国内最大級の電子書籍サイト「コミックシーモア」発のオリジナルコミック「家政夫のナギサさん」(四ツ原フリコ著)。
ドラマの進行とともにナギサの過去や家政夫となった経緯が明かされていくが、まさか最後にはオジサンが若いイケメンを蹴落としてメイと結ばれる......? 多部演じるメイがキュートすぎるだけに、世のオジサンたちはついナギサに肩入れしてしまう。(火曜よる10時放送)
寒山