展示品を自由に持ち帰れる「盗めるアート展」が大迷惑 深夜に警察も出動、展示品はメルカリに転売

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   10日(2020年7月)の深夜、東京都品川区の住宅街にあるギャラリー前に、約200人が押し寄せた。0時開場予定の「盗めるアート展」に集まった客たちだ。展示されている作品をすべて持ち帰ってもいいというアートイベントで、主催者は、来場者が自由に盗んでよい10作品を展示し、現代における芸術作品のありようを違った角度から捉え直す機会という狙いがあったという。

   しかし、コロナ感染拡大中に深夜の住宅街に多くの人が集まる姿に、近隣住民は「夜中にうるさくて迷惑」と不快感を示し、警察も出動する騒ぎとなった。主催者は混乱を見て開場を20分早めると、来場者は一斉にギャラリー内になだれ込んだ。展示されていた財布やしわくちゃの1万円札、クレジットカードを模した作品など10点すべてが1分で持ち出された。

来場者は3密どころではない大混雑

   マーケティングアナリストの原田曜平氏は、「若者はアートに関心はないが、盗んだ作品を撮影して写真をSNSにアップするために大勢集まった」と分析する。開場予定の0時に来た人は、すでに作品が盗まれた後となり、主催者はそうした人や近隣住民に謝罪した。

   野上慎平アナが「来場者はマスクをしていたと思うが、3密どころではない混雑だった」と報告すると、俳優の石原良純は「入場を待つときは2メートルの距離をとらないと。開催場所の設定を間違えている」と指摘。

   弁護士の山口真由「主催者は想定外というが、開催の目的はかなり達成できているはず。ただ、自己中心的かなと思ってしまいます」

   野上アナはさらに、「盗めるアート展」の作品はすぐにオークションサイトに出品されたと報告。アート界の異端児といわれる加賀美健氏の出品作は、メルカリに8万円で出品されていた。

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹「世間を騒がせることをアートという人もいるが、少なくともそれは今やるべきではなかった」

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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