沖縄の米軍基地で、7日(2020年7月)から11日までに62人が新型コロナウイルスに感染していることが明らかになった。しかし、米軍側は当初、感染者数などの詳細の報告を拒否したため、県民の怒りを買っている。
おととい11日、在日米軍海兵隊のクラーディ沖縄地域調整官は沖縄の玉城デニー知事に対し、2つの米軍基地で複数人の感染を確認し、普天間基地とキャンプハンセンのロックダウンを行っていることを通知した。
しかし、クラーディ調整官は玉城知事に感染者の人数や詳細は非公表にして欲しいと要望したが、玉城知事は感染者数公表を強く要望。調整官が受け入れたためクラスター発生の事実が明らかになった。感染者の内訳は普天間基地38人、キャンプハンセン23人、キャンプキンザーが1人となっている。
米軍は検疫も受けずに入国、マスクもせずに遊びまわる
5月1日以降68日間、新規感染者ゼロを続けてきた沖縄県民の怒りは収まらない。
地元住民からは「私たちは必死に自粛しているのに、米軍はマスクもせずに遊んでいる」「米軍は検疫も受けずに入国できて県内を自由に動き回れる。これから米軍の人事異動期間でどんどん新しい人が来る」といった怒りと不安の声が。
玉城知事も「短期間に多数発生したことは極めて遺憾。これまでの米軍の感染防止策に強い疑念を抱かざるを得ない」と対応に不信感をつのらせている。
クラスター発生の原因は何か。7月4日はアメリカの独立記念日で、居酒屋では米兵たちが腕を交差して飲酒したり、集団で国家を歌ったり、料理を素手でつまみ食いしたりする光景があちこちでみられた。ビーチには100人以上がマスク無しで集まり、バーベキューや花火をしていたという。
立岩陽一郎(ジャーナリスト)「米軍は日本人が把握できない人の移動が許されている。玉城知事はよく言ったと思うが、感染者の詳細公表要請は本来防衛大臣や総理大臣が米軍にいうことで、沖縄の知事にやらせる話ではない。日本政府としてちゃんとやらないと。沖縄に限ったことではない。東京の横田基地にも、家族ぐるみでものすごい数の米軍関係者が来る。アメリカの感染拡大状況をそのままもってきてしまう」
橋口いくよ(作家)「日本は感染者が少ないということで、安心して本国でやらないようなことをやったのかもしれないが、地元の人は腹立たしかったと思う」
小倉智昭キャスター「ロックダウンといっても、その前に市中に遊びに出ている。アメリカがあれだけ大流行していたのですから、政府は先手を打てたはずだったと思う」
文・みっちゃん