東京都全体の新型コロナ陽性率は、4%前後で推移しているにも関わらず、新宿区の陽性率は3日(2020年7月)時点で37.3%になった。都内の感染情報を取りまとめている東京都医師会副会長・角田徹さんは、「この上昇率は市中での感染が増えているということを表しています」と指摘する。4割近い陽性率には、ホストクラブなどの集団PCR検査の結果は含まれていないからだ。すでに新宿の夜の街から市中へと感染が拡大しているという。
小池百合子都知事は今後の対策について、「かなりピンポイントで定められつつある。全体での休業要請ではなく、効果的な方法を進める」と話したが、具体的な内容については明言していない。もたもたしている間に、歌舞伎町の夜の店での感染は広がってしまった。
ホストクラブオーナーの愛夢路澪(あむろ・れい)さんは、「うちでは、テーブルは1つ空けてお客様に座っていただく。マスクは着用し、回し飲みは禁止しています。シャンパンコールはマスクをつけて気を付けてやっています」と話す。しかし、新宿全体では、何の対策をとっていない店も多いようだ。先週、歌舞伎町のホストクラブを訪れた女性は、「何店舗か行きましたが、ほぼマスクはしていなかった。マイクを使ってシャンパンコールしていました」と話す。
また、都内のキャバクラで働く女性は「私のお店は消毒液も置いていないし、女の子もボーイもマスクをしていない。怖いけどお金は必要だし、感染してもまだ20代だし大丈夫でしょ、というのはある」と取材に答えた。
急げ!家庭内、職場内へ拡散防止
日本感染症学会専門医の佐藤昭裕医師「まだまだ見つけられていない感染者がいる可能性があります。新宿区の検査ですが、新宿で働いていて、住んでいるところは別という人も含まれます。ほかの地域にも広がっている可能性もあります」
宮崎哲弥(評論家)「市中感染が広がっているとしたら、ホストクラブなどのピンポイント対策だけで抑えられるものなのでしょうか。(4割近い)この数字を見ると不安になります」
佐藤医師「ピンポイントは必要ですが、もう少し早い方が良かった。今は2次感染、3次感染が出ている時期で、家庭内や職場内での感染が今後どんどん広がっていきます。この状況下では、高齢者や基礎疾患を持っている人に広げない対策をしないといけない」