「お父さん、危ないよ!」外にいる父親に濁流が迫る映像を流しながら、放映がプッツンってアリ?お父さんはどうなったの!?

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   「お父さん、危ないよ!」「あっ、お父さん!」「お父さん、危ないって!」

   娘が必死に叫ぶ。その場を離れるようにと父親に叫んでいるのだ。自宅のすぐそばの田んぼから濁流が次々に寄せてくる。先週土曜日の4日(2020年7月)、熊本県芦北町の球磨川流域から20キロ離れた山沿いの民家のことだ。

   撮影した娘によると、家の中にいたら、ドーンと音がして、土砂崩れが家を直撃し、ガスが爆発、火事になった。映像をみると、薄暗い中に真っ赤な炎が立ち上がる。父親は冷静に火事を消すようにホースで水をかけているが、あのままだと濁流に流されてしまう。「お父さん、逃げて!」。必死に何回も叫ぶ。

娘は「このままでは死ぬ。記録を残そう」と撮影

   「このまま死んでしまうと思って。動画さえあれば死んだあとは、どういう状況でこうなったか、伝わると思って」と娘は話す。雨が収まると、田んぼは雨水で満タン状態だったが、朝方明るくなると大量の土砂が流れ着いていた。

   放映はそこまでだった。父親はどうなったのか。

   斎藤ちはるアナが、放送が一段落した時に説明した。「先ほど熊本県芦北町で住民が撮影した映像の中で、父親が避難する様子をお伝えしましたが、その男性が無事だったのかという問い合わせが番組に多く寄せられました。この男性はけがもなく、無事だったということです。補足情報をお伝えしました」

   「補足情報」とは素っ気ない話だ。誰もが知りたかった情報だった。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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