寝ている間に一気に泥水が街を襲った熊本豪雨 気候変動の今、全国どこでも起こり得る危険だ

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   大雨によって5日(2020年7月)までに22人の死者、17人の心肺停止、11人の行方不明者が出た熊本県。被害が広がった原因の1つが、流れの速さから「暴れ川」と呼ばれる一級河川「球磨川」の氾濫だ。支流を含める12か所で氾濫が起き、そのうち1か所で堤防が決壊した。

   球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」では、14人の心肺停止が確認された。上空から撮影された写真を見ると、4日午前4時50分の大雨特別警報から6時間後の午前11時19分には1階部分がすでに浸水している。施設の職員は「朝3時ころから水が一気に増えてきた。上に行ける人は2階に上げ、車いすの人は1階のテーブルに上げたが、水かさが増して引き上げられなくなり、心肺停止になった」と話した。

空振りでもいいから早め早めの避難を

   気象予報士の松並健治は「東西に広がる線状降水帯が川に沿うようにかかり、川のすべての部分で激しい雨が降り続いたので、一気に水かさが増えた。6時間で300ミリ以上降ったところもありました。これは1か月半ほどの雨量です。しかも、これが夜中だったことが大きい。寝ている間の6時間はほとんど感じることができませんから」と話す。

   河川工学が専門の九州大学名誉教授の小松利光さんは「球磨川には中流部には盆地があり、そこに水がたまりやすい。そして盆地を出るところは狭さく部になっていて水位が上がりやすい」と地形的な特徴を指摘する。

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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