「少年よ大志を抱け」のクラーク博士で知られる北海道大学が揺れている。大学のトップである総長の名和豊春氏について、文部科学省はおととい30日(2020年6月)、職員に対するパワハラ行為28件を認定し、解任した。
きのう1日(2020年7月)に会見した北大によると、名和氏は2017年4月の就任直後から、職員に対して大声で叱責したり机をたたいたりするなど、威圧的に振る舞うようになった。国の入札で決まったものを「気にくわないからやり直せ」と職員に指示したり、他大学の要人に対して非礼な態度で接したりしたこともあり、「北海道大学の信用を失墜させた」という。
具体的なパワハラ行為の中身を大学は明かさず
被害に遭った職員は十数人にのぼるとしている。ただ、具体的なパワハラ行為について、大学側は「被害を受けた人たちのプライバシーもあるし、名和前総長のプライバシーにも関わる」として明らかにしなかった。
名和氏は北大卒業後、民間企業を経て1997年に北大の助教授となり、2017年に総長に就任した。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「人員削減に反対する立場を掲げ、(当時の現職を破って)総長に就任した。教職員を大事にしているはずだったのですが」と疑問を呈する。
「とくダネ!」はきのう1日、名和氏に電話取材を行った。名和氏は職員に対するパワハラ行為などを否定したうえで、「大切なのはすべて真実。真実が分からなければ何も判断はできない。何も具体的なことが示されてなく、それは真実なのでしょうか」と他人事のように話していた。
田中良幸リポーター「(パワハラ行為の中には)音声データが存在するものもあるようです」
古市憲寿(社会学者)「大学の中というのは社会の目が届かないところ。僕もセクハラやパワハラの被害を受けた人をたくさん知っています。ただ、今回は会見で具体的なことを言っておらず、権力闘争なのかなという感じもします」
司会の小倉智昭「民間企業から助教授で戻ってから総長まで這いあがるぐらいだから、それなりの実績は評価されていたのでしょうけどね」